明日へのうた

労働運動は社会の米・野菜・肉だ。

今年の漢字、おれは「働」にしたい

 恒例の今年の漢字が12月12日に発表される。公益法人・日本漢字能力検定協会(漢検)が一般募集を参考に今年の漢字を決定するようになって今年が24回目になる。当日は京都・清水寺で森清範貫主による揮毫が行われ、マスコミも大きく取り上げる。年末の風物詩のひとつである。

 今年はスポーツ界のパワハラやmetoo運動、権力者の横暴の話題から「力」または「圧」が有力とされる。ほかに台風・地震被害の「災」、トランプ旋風の「米」、平成最後の年の「平」なども取りざたされている。国会提出虚偽資料、高額報酬虚偽記載の「虚」も有力候補である。

 ところでおれが選ぶ漢字となるとやはり「働」だと思う。通常国会では「働き方改革法案」、臨時国会では「入管法改正案(外国人労働者受け入れ法案)」の成立が安倍自公政権によって強行された。いずれも財界の強い要望に基づくもので、当該の労働者は論議の外に置かれ無視された。

 資本主義社会は基本的に、資本家と労働者の二つの階級構成から成り立っている。どちらが欠けても成り立たない。政府はどちらにも公平に目配りしなければならないはずだが、常に資本家の方を向く。労働者の権利とか生活とかはないがしろにされる。そのいい例が「働き方改革」や「入管法」なのだ。

 おれは18年間の労働委員在任中いろんな経営者と(不当労働行為事件の当事者ばかりでなく使用者委員とも)接してきた。根っからダメな経営者もいるにはいるが、大方は働くものがいるから経営が成り立っているという認識だけは持っていたと思う。もちろん「労働者は文句言わずに低賃金で働いてくれれば一番いい」とは思っているだろうが、そうはいかないことも知っていた。今年の漢字を「働」にすることにより、社会成立の基盤である労働への理解を社会的に深めてもらうことが大切だとおれは思う。

 ところで「働」という漢字は「労働」だけに限定されていない。例えば「悪事を働く」とも言う。「広辞苑」によれば「胃腸の働きが鈍い」「頭の働きが鋭い」「重力の働き」など使われ方は多様である。文法の語尾の変化も「働き」と言うし、能・狂言には「舞働(まいばたらき)」という言葉があるそうだ。「働」という字は奥が深い。おれも来年は「気働き」を忘れずに一日一日を過ごしたいものだ。

 

 


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