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【PJニュース 2010年7月12日】マンションの管理会社を変更し、管理委託費を大幅に削減した事例を紹介する。東急不動産が分譲したマンション「アルス」(東京都江東区)では管理会社を独立系の会社に変更した結果、管理委託費を年間約120万円も削減でき、変更から1年後には一般会計の余剰金を修繕積立金会計に繰り入れるまでになった。
http://news.livedoor.com/article/detail/4879711/ http://www.pjnews.net/news/794/20100711_14 記者はアルスの区分所有者であった。物件引渡し後に不利益事実不告知が判明したため、売買契約を取り消し、裁判で売買代金を取り戻した(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』ロゴス社、2009年)。それまでは居住しており、管理組合理事長も務め、管理会社変更までの経緯も関係していた。 アルスでは売主・東急不動産の指定により、分譲当初から東急不動産の子会社の東急コミュニティー(東京都世田谷区)に管理を委託していた。管理委託費等は東急コミュニティーの言い値で決められている状況であった。しかし東急コミュニティーの杜撰な管理が次々と明らかになり、管理会社変更の機運が高まった。 直接の契機は東急コミュニティーが作成した長期修繕計画の計算誤りである。管理組合理事会の指摘で誤りが発覚し、修繕積立金の不足が明らかになった。 東急コミュニティーが2004年6月9日に作成した長期修繕計画では、実際は一般会計に算入されている駐車場駐輪場料金(年額200万円弱)を修繕積立会計に算入して資金計画を立てていた。実際の修繕積立金会計収入は長期修繕計画上の修繕積立金収入額よりも、駐車場駐輪場料金に相当する200万円少ないことになる。計画上の収入見込みよりも毎年200万円ずつ少なくなる。実際よりも修繕積立金額を多く見せかけ、管理組合が修繕積立金不足を認識しないようになっていた。 長期修繕計画通りに支出が行われた場合、最初の大規模修繕時に修繕積立金が1013万1000円の赤字となる。現行の修繕積立金の年間積立額は196万4280万円であるため、不足額は約5.16年間の積立金額に匹敵する。不足額を一時金として徴収する場合、全27戸であるため、1戸当たり37万5223円の負担となる。 管理組合は保全計画費(長期修繕計画業務、資金積立計画業務)として毎月5100円を東急コミュニティーに支払っている。東急コミュニティーは5年毎に長期修繕計画案を作成する。年間では5100×12で61200円、5年間では30万6000円になる。東急コミュニティーのデタラメな長期修繕計画に対し、それだけの金額を払うことになる。 東急コミュニティーの悪質な点は長期修繕計画を居住者及び管理組合の目に触れないようにしていたことである。東急コミュニティーは作成後、一年以上も長期修繕計画の内容を管理組合に説明しなかった。管理組合理事長の要求により、2005年10月23日の理事会で初めて説明された。 それに先立つ2005年9月24日に住民が管理人に長期修繕計画の閲覧を請求した。しかし管理人は「管理室保管文書中には存在しない」と回答した。そのため、住民は9月27日に東急コミュニティーに長期修繕計画の所在を問い合わせた。後日、管理人から「実は管理室に保管されていた」との連絡を受けた。最初は居住者に見せたくない一心から虚偽の回答をしたことになる。 東急コミュニティーは長期修繕計画の虚偽発覚後、悪びれることなく理事会に以下二通りの修繕積立金値上げ案を提案した(2006年1月15日)。 ・現在一戸当たり平均約6000円の修繕積立金を来年度から2000円ずつ値上げし、2011年に約16000円にする。 ・来年度から平均15000円に値上げする。 理事会だけでは対処できないため、全住民に報告したところ、当然のことながら値上げは容認できないとの猛反発を受けた。この点について、東急コミュニティー担当者は「修繕積立金金額の設定に疑問があるのであれば矛先は売主です」と東急不動産に責任を転嫁した(理事長宛メール2006年3月28日)。ここから値上げによらない修繕積立金不足解消策として、管理会社見直しの検討が始まった。【つづく】 林田力「クライシスマネージャー(9)裁判対応」PJニュース2010年7月6日 http://news.livedoor.com/article/detail/4868348/ http://www.pjnews.net/news/794/20100626_13 林田力「土地所有権移転登記の登記申請書を閲覧(上)」PJニュース2010年7月6日 http://www.pjnews.net/news/794/20100704_7 林田力「土地所有権移転登記の登記申請書を閲覧(下) 」PJニュース2010年7月7日 http://www.pjnews.net/news/794/20100704_8 林田力「二子玉川東第二地区再開発組合設立認可に抗議(上)」PJニュース2010年7月7日 http://www.pjnews.net/news/794/20100705_5 林田力「二子玉川東第二地区再開発組合設立認可に抗議(下) 」PJニュース2010年7月8日 http://news.livedoor.com/article/detail/4875827/ http://www.pjnews.net/news/794/20100705_6 林田力「東京都が二子玉川住民抗議文に回答」PJニュース2010年7月9日 http://news.livedoor.com/article/detail/4875802/ http://www.pjnews.net/news/794/20100708_4 林田力「「公設サーバ」はネット選挙の弊害を解消するか」PJニュース2010年7月9日 http://www.pjnews.net/news/794/20100707_7 |
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