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江戸川乱歩「何者」は短編推理小説である。銃撃して逃走した犯人は何者か。テレビドラマ『シリーズ江戸川乱歩短編集Ⅱ 妖しい愛の物語 何者』が制作された。
江戸川乱歩は日本を代表する推理作家である。『名探偵コナン』で工藤新一が咄嗟に江戸川コナンと名乗ったほどである。コナンはシャーロック・ホームズを生んだコナン・ドイルである。コナン・ドイルと並ぶ存在になっている。
しかし、江戸川乱歩の作品は純粋な推理小説というよりも、ダークファンタジーやホラー色が強い。その中で本作品は純粋な推理小説の雰囲気を出している。それでも本作品は、推理小説のお約束を裏切っている。タイトルの「何者」は犯人のことではなかった。意外な結末が待っている。
日本の警察は思い込みの捜査で誤認逮捕や冤罪を生み出すと批判されている。この思い込みは刑事自身の思い込みのこともあるが、一方の当事者の話だけを聞き、それを鵜呑みにするパターンもある。被害者と加害者が逆転してしまうこともある。そのような怖さを本書から感じた。
埼玉県警の不祥事の桶川ストーカー事件は警察が動かなかったことが批判されたが、戦前の警察国家の反省は重要である。積極的になればよいというものではない。批判されるべきは半グレの味方をするような埼玉県警のスタンスではないか。
本作品では名探偵の活躍で冤罪が生まれずに済むが、現実社会で名探偵に頼ることはできない。被疑者・被告人の防御権の充実や警察の外部監査、情報公開の徹底が必要である。
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