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【PJニュース 2010年7月5日】「組織のマスコミ対策―いざという時にマスコミと上手に付き合う方法―」はマスメディア対策を紹介する。講師は古市達郎・金沢工業大学危機管理研究室教授(元近畿公安調査局長)である。
不祥事発生時において、マスコミは果たして常に巨大な敵なのか。上手なマスコミとの付き合い・対応によっては、むしろマスコミを味方につけ、組織の再生、イメージアップの好機に変えることすらできる。このための意識改革と具体的方策を解説した。 講義では最初に雪印食中毒事件や不二家の消費期限偽装事件など相次ぐ企業不祥事が紹介された。企業不祥事では役員が並んで頭を下げるシーンが御馴染みであるが、古市氏は暴風雨が通り過ぎるのを待っているようにしか見えないと辛辣である。 真摯な謝罪姿勢があるかという点が重要になる。これは、その後の論調にも影響する。この点は記者にも思い当たることがある。記者は東急不動産(販売代理:東急リバブル)から不利益事実を隠して新築マンションをだまし売りされた。東急リバブル・東急不動産は2007年10月にウェブサイトに「お詫び」を掲示したが、謝罪の仕方が良いとは評価できないものであった(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』ロゴス社、2009年、97頁)。これが、その後の記者のスタンスにも影響していることは言うまでもない。 また、古市氏は一番悪い対応を開き直りと指摘する。これも東急不動産だまし売り裁判に該当する。東急不動産住宅事業本部の課長が「弁護士でも都庁でも裁判所でもマスコミでも、どこでも好きなところに行って下さい」と開き直ったことが提訴の発端となった(『東急不動産だまし売り裁判』7頁)。 狭い意味での危機管理は危機発生後の対処法である。その意味で本講義は即効性を求める企業担当者が最も求めるものである。しかし、本講義は世間のバッシングをひたすら回避する方法を伝授するものではない。危機が一段落した後にもメディアや利害関係者に調査結果を説明することが重要と説く。ここには付け焼刃ではなく、本物のクライシスマネージャーを育成するという主催者側の意気込みが感じられた。 続いて「ガバナンスとコンプライアンス―不正・不祥事における組織のダメージを救う―」である。講師は清正登喜男・内部統制・コンプライアンス推進協会(JSPA)専務理事である。 ガバナンスの目的は事業体(企業や自治体を総称)の目標に即した高度な事業継続である。コンプライアンスの目的は法令遵守を超えたポリシーマネジメントであり、この二つの肝が危機管理(又はリスク管理)である。 一般にコンプライアンスは法令遵守と翻訳されることが多い。これに対して、本講義では「コンプライアンスは法令遵守ではない」と主張する。社会から発せられる要請(社会規範)を受けとめることがコンプライアンスである。法律に則れば許されるという発想は誤りであり、法の抜け穴をくぐろうとする企業が問題を起こすと指摘した。 講座ではコンプライアンス意識の低い日本企業の実態が浮かび上がった。コンプライアンスやCSRに抵触する場合に常に対応する企業は3割以下であった。不利益事実を隠して新築マンションをだまし売りした東急リバブルや東急不動産のような企業が多いことを示している。 コンプライアンス違反などに対応しない理由として最も多いものは「これまで全く問題にならなかった」である(約5割)。実際、「これまで全く問題にならなかった」と開き直り、主体的に改善しない企業が多い。前述の東急不動産だまし売り裁判でも消費者契約法で不動産売買契約が取り消された先例がないことが東急不動産の拠り所となった。コンプライアンス意識の低い日本企業の現状では、裁判で徹底的に争うことは社会正義の実現につながる。【つづく】 http://news.livedoor.com/article/detail/4866310/ http://www.pjnews.net/news/794/20100626_12 林田力「「一澤帆布」の泥沼相続紛争は「遺言」が罪つくり」PJニュース2010年7月5日 http://news.livedoor.com/article/detail/4866533/ http://www.pjnews.net/news/794/20100703_2 林田力「『ONE PIECE 第54巻』テンポの良い展開」JanJanBlog 2010年7月5日 http://www.janjanblog.com/archives/8022 林田力「大阪社会運動顕彰塔で社会運動の意義を再確認」JanJanBlog 2010年7月6日 http://www.janjanblog.com/archives/8076 |
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