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長嶋修『5年後に笑う不動産 マンションは足立区に買いなさい!』(ビジネス社、2017年8月25日)は不動産コンサルタントによる書籍である。同じ著者の書籍『不動産格差』(日本経済新聞出版社、2017年)と同じく不動産の価値に格差が生まれると指摘する。本書はタイトルに「足立区に買いなさい」とあるように具体的な地域をあげているところが特徴である。
『不動産格差』の書評と同じになるが、格差については疑問がある。不動産の価値が下がることは、人口減少、持ち家信仰の希薄化、空き家の増加などから容易に想像できる。これに対して供給過剰になるにもかかわらず、一部の不動産の価値が上昇することは理解しにくい。不動産の価値が下がるばかりでは消費者の不動産への関心が弱まり、不動産業界に関係する立場として不都合があるためではないかと邪推したくなる。
このような疑問はあるものの、不動産価値が下がる点については同感である。本書は、良質な住宅街イメージを持つ人が多い東急田園都市線沿線の退潮を指摘する(「田園都市線の「勝ち組エリア」が負け組に転落するとき」)。大手町や銀座の繁栄を考えれば、そこへのアクセスの良い東京都東部が好まれることは自然である。東京は西に西に住宅地を拡大していったが、外環道によって都心と画そうとしている。田園都市線沿線の退潮は自然である。
但し、本書の特徴は、ここにも格差を持ち出していることである。田園都市線内でも区部と神奈川県の格差を指摘する。私が出演したインターネット番組・日本海賊TV『金八アゴラ』「二子玉川ハロウィンパーティーはヤンキー化促進」(2017年9月6日)では川崎のヤンキーが世田谷区の二子玉川に来て治安を乱すと指摘された。もはや沿線で一体感を持つ時代ではないことは確かである。
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2017年09月17日
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