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尾田栄一郎『ONE PIECE 83』(集英社、2015年)はビッグ・マム編が本格化する。四皇ビッグ・マム(シャーロット・リンリン)の夢が明かされる。それは世界中のあらゆる人種が家族となり、同じ目線で食卓を囲むというものであった。これはキング牧師の夢「かつての奴隷の息子たちとかつての奴隷所有者の息子たちが、兄弟として同じテーブルにつく」を連想させる。
ビッグ・マムは、どうみても暴君であり、悪役である。そのようなキャラクターとキング牧師の夢を重ね合わせることは大胆である。理想を現実から離れて追い求めるとディストピアになるという警告だろうか。 現実は異なる人々が一緒になるよりも、相違を尊重する方向に進んでいる。キング牧師の夢は必ずしも望ましい理想とは思われなくなった。奇しくもアメリカでは排外主義との批判もあるトランプ氏が大統領に当選した。そこにはアメリカのリベラルの掲げる建前論の欺瞞への批判もあった。エンタメ作品は社会を写す鏡でもある。 http://blog.livedoor.jp/hayariki2/ ワンピースは空島編ではパレスチナ問題、魚人編では人種差別問題、パンクハザード編では危険ドラッグ問題、ローの過去がアスベスト問題を連想させるなど意外と社会性に富んでいる。しかし、その社会性が単に左翼の権力批判をなぞるだけでは左翼優等生になってしまい、エンタメ作品としてはつまらなくなる。ビッグ・マムの夢のような大胆なアイロニーこそ面白い。 ガーラ・グランディ木場迷惑(Kindle)
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