全体表示

[ リスト ]

霧花

岸野華菜



気後れする
空中の朱色の翼のけものに会うと
足は不定形のなぎさ
夜の入り口を消し去る歌声を
耳にしのばせている
二筋のまなざしを向ける
その先にある
木漏れ日
緑まぶしい風音は言うのだ
鳴る「純白」はいい
水のような忘却は涼しい
背では今高まる潮位
瞼の裏に広がる確かにうねる海
(書いても無駄だこんな一行)
冬でさえただヒューヒューと比喩の雪
(鐘を打つ)遠景をたたむ
そこに霧花は咲くが
音楽は見えない
曲がりくねって眠るということを
夢想したからだ
船端に描いた熱帯雨林も
本筋を外れた(但し書きのついた)過剰
そらは放物線(何のであれ)の彼方への響き
さらなる放心へと紛れて行く
飛沫が肌に痛い
内外なく
雨がぼそぼそと
陽を濡らす


.


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事