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波乗り山のふもとまで

青砥たづき



星喰い坂道で昇天する
海割り猫のことなど
思う
もらい肌を拭く風色爪毛の夜に
腰には虹紐に吊されて乾しあがった
その手がありあの手もあり
「さみしい」輪とか「くちな」輪とか
「毛」ものとかが
紙上の三頭の牛みたいにひしめく空気のうず
あるいはブリキのヒコーキとかガラスの香水瓶の間に
よくある不眠
夢を割る湯と芽に(ここで笑い猫の舌ざわりを実感した!)
とび起きる速度はぜる
重量無量の石けん水(陽射しのこと)をかけ塗られ
濡れたひとなみの瞳をはずす
その手はずをととのえる
そう月並みに書いて
終わりにする
さて柔らかで黄色い月も出た
けむり犬は去るだろう
波乗り山のふもとまで

霧花

岸野華菜



気後れする
空中の朱色の翼のけものに会うと
足は不定形のなぎさ
夜の入り口を消し去る歌声を
耳にしのばせている
二筋のまなざしを向ける
その先にある
木漏れ日
緑まぶしい風音は言うのだ
鳴る「純白」はいい
水のような忘却は涼しい
背では今高まる潮位
瞼の裏に広がる確かにうねる海
(書いても無駄だこんな一行)
冬でさえただヒューヒューと比喩の雪
(鐘を打つ)遠景をたたむ
そこに霧花は咲くが
音楽は見えない
曲がりくねって眠るということを
夢想したからだ
船端に描いた熱帯雨林も
本筋を外れた(但し書きのついた)過剰
そらは放物線(何のであれ)の彼方への響き
さらなる放心へと紛れて行く
飛沫が肌に痛い
内外なく
雨がぼそぼそと
陽を濡らす

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