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●食堂
テーブルの上にミシェルの死体。
ドレスを着て、きれいに化粧をしている。
窓の外に海が見える。
明るくなり始めている。
テーブルのまわりに立つラウラ、K、アンリ、ティエリー、ディディエ、ジャネット。
ティエリー(憔悴しきっている)「明るくなってきた!」
アンリ「朝だからな」
ティエリー「もう耐えられない。こんな馬鹿げたことで死ぬなんて!」
ラウラ「そういうことは撃たれてから言えば?」
ティエリー「僕は行くぞ。茶番はもうたくさんだ」
ティエリー、上着を着て、コートを羽織り、後ずさりながら戸口の方へ。
ティエリー「僕を撃てますか? 撃てませんよね。3人とも拳銃を持っていて、僕だけ丸腰だ。こんな無抵抗な男を撃てますか? 僕は行きます。安心してください。あなたたちのことは誰にも言わないから。僕は大統領府に勤める官僚だ。警察に駆け込んでよけいな面倒に巻き込まれるのは好ましくない。わかるでしょ?」
ラウラ「わかるわ」
ティエリー「よかった。それじゃ」
ラウラ「でも、フィアンセを殺されて警察に行かないというのは不自然よね」
ティエリー「僕はミシェルと喧嘩して先にパリに戻った。それから事件が起きた。それでいいでしょ?」
K「無駄口叩いてないで、さっさと行け」
ティエリー「ほんとに?」
●前庭
玄関から見送るラウラ、アンリ、K、ディディエ、ジャネット。
雨が降っている。
彼らを見つめながら後ろ向きに車の方へ歩いていくティエリー。
車に行き着き、ほっとする。
笑みがこぼれる。
ドアを開け、車に乗ろうとした瞬間、
アンリが拳銃を撃つ。
大きく目を見開いて彼らを見るティエリー。
ティエリー「だめだよ、そんなの。全然だめだ……」
崩れるように倒れる。
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