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1977年の夏、友達は東京にいて、
ぼくはフランスにいた。
ディジョンで夏を過ごしていたのだ。
ぼくはまだ大学生で2度目の4年生だった。
友達は卒業して働いていた。
ぼくらは何度か手紙をやりとりした。
彼のガールフレンドからも手紙をもらった。
何度か会ったことがある程度だったが、
料理がうまくて、とても可愛い子だった。
彼女の手紙には、友達がほかの女の子とつきあいだしたと書いてあった。
もうおしまいだと。
ぼくはあきらめることはないと返事を書いた。
それまでも何度か似たようなことがあったからだ。
友達はほかの女に目移りすることはあっても、
結局彼女のところに戻っていた。
可愛くて料理がうまくて従順で家庭的な女の子。
友達が結婚するとしたら彼女しかいないのははっきりしていた。
ただ、その前にもうちょっと遊びたかったのだ。
もうちょっと刺激的な女の子と。
ぼくは友達に手紙を書いて、
彼女が傷ついていることを知らせてやった。
彼には彼女がいかにお似合いかということも。
しばらくして彼から手紙が来た。
彼女と仲直りしたと書いてあった。
「いい友達を持って、ぼくらは幸せだ」とも。
何年かたって彼らは結婚した。
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