

商店街の北のはずれから左折して、郡山市役所の前を過ぎると、
お城の石垣と壕が見えてくる。
お城の近くに役所があるのは、地方都市も東京も同じだ。
どこも似たような、ちょっと厳かな雰囲気を持っている。
壕を渡って坂を登ると、江戸時代のものらしい立派や長屋門や櫓があり、
その奥に明治大正建築らしき建物がある。
図書館兼公民館みたいなものになっているらしい。
日本のほとんどのお城同様、天守閣はすでになく、
敷地には資料館的な伝統建築が残っているだけ。
もともと空壕なのか、それとも水が抜けてしまったのか、
草に被われた谷みたいな壕を渡ると小さな神社があり、
その奥に天守閣跡の土台があった。
お城を訪ねるたびに感じるのは、
政治のシステムというものの短命さだ。
戦国時代に城砦として発達した城は、
江戸時代の270年間、行政府兼行政長官の住まいとして生きながらえたが、
その後は文化財・観光資源として保存されるか、
この城のように半ば公共施設の敷地・半ば廃墟として管理されている。
城を必要とした政治システムはすでにない。
千年以上システムとして生き続けているお寺や神社にくらべてなんという短命さだろう。
商店などもそうだ。
江戸時代から存続している古い街並みは、
観光地・テーマパーク化することで生き延びているが、
その街並みを生み出した商業・経済のシステムはすでにない。
都市や建築は人間の営みの器であるかぎり、システムと共に変化する。
ビルが建ち並ぶ現在の都市はどう変化していくのだろう?
「スターウォーズ」に出てくる未来都市のように、
美しい摩天楼が果てしなく続き、
そのあいだを空飛ぶ乗り物が音もなく飛び交う時代はやってくるだろうか?
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