
天守閣の最上階に登った。
北は飛騨山地、東は木曽山脈、西は濃尾平野から鈴鹿山脈、
南は濃尾平野が名古屋方面まで見渡せる。
眼下の長良川がうねりながら木曽川・揖斐川と接近して、
伊勢湾方面へ流れていく様子もはっきり見える。
眺めていると、なるほどここが日本の中心だという気がしてくる。
天下統一のために信長が美濃をほしがった気持もわかる気がする。
尾張と美濃はほんのわずかな距離なのだが、
ここに敵がいるのと、自分がいるのとでは、
京をおさえるのに雲泥の差があるのだ。
事実、美濃を攻略してからの信長は、
天下統一のビジョンを明確にし、
そのための行動を一気に加速させていく。
それは樹上をわたる猿のような危なっかしい冒険の連続で、
最後には非業の死で幕を閉じるのだが、
その危なっかしさ、
ほかに誰もやろうとしなかったことに挑んだ勇気、
発想の斬新さ、
邪魔ものは叩きつぶす明快さ、
そして未完に終わった夢のはかなさが、
信長の圧倒的な人気の秘密なのだろう。
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