イージーライターのつぶやき

ちょっとマニアックな職業ライター兼アマチュア小説家が、作品と日常生活のつぶやきを紹介します。

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鬼ノ城へ続く急坂を徒歩で登る。

自転車の苦労が嘘のように体が軽い。

デイパックの荷物は駅のコインロッカーに置いてきたので、
もともと自転車で登るのも相当楽なはずなのだが、
それでも登り切れなかったというのはけっこうショックだ。

10分ほど歩くと、小さな集落があり、
「鬼の釜」という表示が見えた。

五右衛門風呂をでかくしたような鉄釜だ。

錆びて底が抜けているが、釜の原型を完全にとどめている。

ということはそんなに古いものではないのだろう。


めざす鬼ノ城(きのじょう)は、
桃太郎の鬼退治伝説に出てくる鬼の城みたいなことでつけられた名前なのだろうが、

そもそも日本各地に残る鬼退治伝説の「鬼」は、
製鉄を生業とする一族のことなのだとする説がある。


たとえばこの吉備には、百済から製鉄技術をもたらした温羅(うら)という鬼がいて、
それを大和朝廷の英雄が退治したという伝説が残っている。

しかし、こうなると鬼退治は古代の話ということになってしまい、
大和朝廷の全国制覇が完了したのは5世紀あたりとすると、
こんな野ざらしの鉄釜が残っているわけもなく、
これが鬼の釜というのはあやしいということになる。

もうひとつ各地に残っているのは、
大江山の鬼退治みたいに、平安〜鎌倉時代あたりの武士の英雄が、
女たちを誘拐して山奥のアジトに連れ帰る鬼を退治するみたいな話だ。

これは鉱山業・金属精錬業を生業とする一族が、
有害物質を川に垂れ流すなどの問題を引き起こし、
時の権力に制圧されるという事件があちこちであり、
それが「鬼退治」として伝わったものだという解説を読んだことがある。

この手の話で興味深いのは、
鬼を殺して女たちを解放してみたら、
意外にも女たちは鬼を愛していて、
鬼が殺されたことを嘆き悲しんでいたというエピソードが加わっていたりすることだ。

つまり、「鬼」は悪いやつでも化け物でもなかったというわけだ。

明治時代の足尾銅山事件みたいに、
金属鉱山・精錬業者が毒を垂れ流す公害事件みたいなことが、
ほんとにあったのかどうかはわからないが、

製鉄・金属加工業は、政治権力の趨勢を左右しかねない重要産業だったろうから、
そうした産業を担う勢力で権力に従わないやつらは征伐する必要があったのだろう。

もしかしたら、「鬼」とは中央の権力に従わない地方の勢力のことだったのかもしれない。

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いわく因縁の釜ですが、何時ごろのものでしょうか。興味持ちました。

2010/7/24(土) 午後 4:29 なとりのブログ

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そう言えば落語に「鬼の褌洗う女」なんってのがありました。
鬼伝説って調べてみると興味が湧くものなのですね。

2010/7/24(土) 午後 5:52 [ アマルフィー ]


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