|
ロートレアモン全集 渡辺広士訳 思潮社刊
ロートレアモン全集といっても300ページほどの
1冊の本でしかない。
内容は「マルドロールの歌」という小説/散文詩と、
「ポエジー」という未完の詩集のみ。
ロートレアモンの本名はイジドール・デュカス。
たしか南米、モンテビデオかどこかの出身だ。
ランボーとほぼ同時代に作品を書き、
二十歳くらいで死んでしまった。
自殺だったのか、病死あるいは事故死だったのか、
どこかで読んだ記憶があるが、忘れてしまった。
作品以外に残っている伝記的資料が、
6通の手紙と出生・死亡証明書しかなく、
その生涯はほとんど謎に包まれている。
この「全集」のあとがきには、
そんなものはどうでもいいと書いてある。
要するにデュカスは作品以外なにも残すまいとしたのであり、
作品だけから彼を知るのが正しいのだと。
ロートレアモンは、
まだ宗教的倫理の影響を色濃く残していた、
19世紀的な世界観の呪縛からフランス人を解き放った、
何人かの先駆者のひとりだ。
シュールレアリストの詩人たちは、
彼を神のように、あるいは悪魔のようにあがめ、
その名前を口にすることすら恐れたという。
ロートレアモンというファッションブランドがあったが、
もちろんこのロートレアモンからとったのだろう。
日本のブランドだろうか?
シュールレアリスト的デリカシーを欠いた、
鈍感で幼稚な言語感覚がそこに透けて見える。
|
私も「マルドロールの歌」が大好きです。
2014/2/5(水) 午後 2:15 [ ふじまる ]