イージーライターのつぶやき

ちょっとマニアックな職業ライター兼アマチュア小説家が、作品と日常生活のつぶやきを紹介します。

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密航者たち10

●居間
子供たちと話をするアンリ。
そばで物思いに耽るKとティエリー。
ディディエ「虹に矢を命中させた男は不死身になれるんだ」
アンリ「不死身になったら何をする?」
ディディエ「龍を退治する」
アンリ「龍を退治したら?」
ディディエ「悪魔を退治する」
アンリ「悪魔を退治したら?」
ディディエ「魔女を退治する」
アンリ「魔女を退治したら?」
二階でバン!という音。
女の悲鳴。
ティエリー、とびあがる。
アンリとK、拳銃を抜く。
ドタドタと足音。
ドアが開き、血塗れのバスタオルを胸に押し当てたミシェルが現れる。
ティエリー「ミシェル!」
ミシェル、倒れる。
ラウラ、全裸のまま現れる。
ティエリー「あなたが撃ったのか?」
ラウラ(放心状態)「そうよ。(ミシェルを見て)なんてきれいなの。これ、私があこがれてた死に方のひとつかもしれない。若くて、裸で、大勢に見られながら死ねるなんて……」
K「死にたくない人間ほど早死にするもんさ」
ティエリー「なんで彼女じゃなきゃいけないんだ! ラウラ、あなたが死ねばよかったのに」
アンリ「自分が殺そうとしてたくせに」

密航者たち9

●食堂
アンリとK、テーブルをはさんで向かい合っている。
ふたりともポケットの中で拳銃を握りしめている。
アンリ「どうしてスパイなんかになった?」
K「そのときは正義のためだと思っていた」
アンリ「今は?」
K「スパイにはふたつの本能があると思う。欺くことと国境を越えること」
アンリ「天職ってわけか。失業して辛いだろうな」
K「食いつなぐのは楽じゃないね。信じてもらえるかどうかわからないが、自分で人を殺したのは今回が初めてだ。加わったプロジェクトで人を殺したことはあるが、実行したのは仲間だった」
アンリ「信じないね」

●風呂
ラウラとミシェルが湯船に浸かっている。
ラウラのすぐそばにベレッタ。
ミシェル、ラウラにしなだれかかる。
受けとめるラウラ。
軽い愛撫。
ミシェル、さりげなくベレッタに手を伸ばそうとするが、
ラウラ、そうはさせない。
愛撫で次第にミシェルを興奮させていく。
ミシェル「女の扱いもうまいのね」
ラウラ「女の子を自殺に追い込んだこともあるわ」
ミシェル「男を奴隷にしたことは?」
ラウラ「何人かね」
ミシェル「なぜ自殺したくなったかわかる気がするわ」
ラウラ「そう?」
ミシェル「したいことをやりつくしたのよ」
ラウラ「よくわからないけど、たぶん違うわね。これは子供の頃からプログラムされてたことなのよ」

●食堂
アンリとK、話の続き。
K「ナチ協力者になるのは宿命だった?」
アンリ「もちろん。ひどい時代だった。弱いヤツ、貧乏なヤツがどんどん糞壷にはまりこんでいった。しかもそいつら同士で頭を糞の中に突っ込み合うんだ。ユダヤ人だけが肥え太っていた。それから共産主義者たちがはびこり始めた」
K「ナチは共産党よりましだった?」
アンリ「忘れてもらっちゃ困るが、あのときフランスはドイツに占領されてたんだ。ナチと組んだのは祖国を守るためだ」
K「国外に逃げたことは?」
アンリ「あるさ。まずドイツに、それからデンマークに、それからオランダ、エジプト、ブラジル、アルゼンチン……」
K「どうしてフランスに戻った?」
アンリ「決まってるさ。祖国だからだ。あんたの祖国は?」
K「もうない」
アンリ「ひとつ忠告しておくが、祖国をなくしたヤツは死ぬ。生きていても死んでる」
K「忠告ありがとう」

●風呂
ラウラとミシェル、話の続き。
ラウラ「子供の頃、ミサに行くたびに、みんなの前で裸にされて処刑される自分を想像したわ。そんな経験は?」
ミシェル、首を振る。
ラウラ「ジャンヌ・ダルクの物語を読んだときも、火あぶりのシーンに興奮したわ。あの頃は、毎日、行く場所ごとに、そこで処刑される自分を想像してた。出会う人ごとに、この人が私をどんなふうに捕まえて、何の罪で告発し、どんなふうに処刑するかを考えてた」
ミシェル「それって思春期の空想じゃない?」
ラウラ「私もそう思って、ありとあらゆることをやってみたわ。でも結局、人間は内側に仕掛けられた罠からは絶対に逃げられないのよ」
ミシェル(かっとなって立ち上がる)「それで選んだ死刑執行人があの爆弾男ってわけ? それで私たちまで巻き添えにしようっていうの?」
ミシェル、ラウラにつかみかかる。
お互い泡だらけですべってしまう。
ラウラ「落ちつきなさい。別荘を使わせろって言ってきたのはあなたたちなのよ」

根腐れパキラの蘇生

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根腐れしていたパキラに蘇生手術をして1週間。
早くも幹の先端近くに小さな芽が出てきた。
根腐れしていたときは、芽がほんの2〜3ミリ出ただけで黒ずんでしまい、そのまま枯れて閉まっていたのだが、今回は明らかに違う。
新しい根がどれくらい伸びたのかはわからないが、元気だったときはうるさいくらいどんどん葉っぱを出していた、生命力の強いパキラだから、けっこう早く伸びるのかもしれない。

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