イージーライターのつぶやき

ちょっとマニアックな職業ライター兼アマチュア小説家が、作品と日常生活のつぶやきを紹介します。

過去の投稿日別表示

[ リスト | 詳細 ]

全1ページ

[1]

人格チェンジ

今週月曜あたりから自分の人格が入れ替わっているのを感じる。

もともとぼくには人格が何種類かあって、代表的なものは
1.社交的で仕事好きなノーマルな人格
2.そのネガとしてのアブノーマルで非社交的・反社会的な人格
3.1と2の矛盾に絶えきれなくなって中年になってから見つけた逃げ場としてのトライアスリート
の3つだ。

先週から新しい小説のメモを取り始めたのだが、その作業にのめりこんでいくにつれて、ブログに書くことがなくなってきた。1のノーマル人間から2のアブノーマル人間に人格が切り替わったのだろう。

昨日まではなんとかコメントに応えたり、お気に入り登録している人のブログを訪ねてコメントを残したりしていたのだが、今日は訪問はしたものの、何も言葉が思いつかなくてそのまま帰ってきた。

振り返ってみると、そもそもこのブログを始めたのは、小説を書くアブノーマル人間としての自分を世間にさらすためだったのだが、いつのまにかブログ社交のようなものにのめりこんでしまって、アブノーマルな人格が自分の奥底に隠れてしまった。文学について語るときも、予備校の教師みたいにわかりやすく語ろうとするあまり、間違ってはいないものの、本来の小説を書く自分なら口にしないような言葉ばかり書き連ねてきた。たぶんそういう無理が限界に来たのだろう。

通じやすい言葉で書いているかぎり、新しい発見や創造は生まれない。

ブログは本来日記だというが、皮肉なことにブログを始めてから40年間続けてきた日記をつけなくなってしまった。ブログが日記なんだからいいじゃないかと考えたこともあったが、やはり誰にも見せない日記と公開するために書くブログでは内容が全く違ってしまう。

ひとつこれからはできるかぎり本物の日記をブログに掲載しよう。少なくともまた人格が切り替わるまでは。

2002年 6月16日

ありえたかもしれない

70年代に一夏をフランスで過ごしたとき、
日本に帰って1年間金をためてすぐにフランスに戻ろうと考えた。
しかし、2年たっても金はたまらなかった。
4年後にふたつ目の会社をやめたとき、
手元には二百万の金があったが、
有り金すべて持ってフランスに行き、
金がなくなるまで暮らす気はもうなくなっていた。
ちょうど今のMGくらいの歳だった。

ずっとあとになって、ふたりのパリ在住の日本人と知り合った。
彼らはフランスでただぶらぶらしたり、勉強したりしている日本人たちとちがい、
パリで働いている。
ひとりは日本の映画、テレビ、CMなどのロケの手配をするコーディネーター、
もうひとりは画家。
コーディネーターはフランス人と結婚して子供がいる。
ありえたかもしれない自分の人生。

「ねえ、自分の未来に不安はない?」とMGがきく。
「べつにないね」と答える。
「だって、これから歳とっていく一方なんだよ」
「もう今でも歳とったと感じてるからね」
「これから何かやりたいことはないの?」
「親より先に死ぬのは彼らが気の毒でいやだけど、そのあとは別にいつ死んでもいいよ」
「人生に悔いはない?」
「書きたいと思って書けなかったもののことが心残りだね」
「夢は作家になることなの?」
「作家にはなりたくないね。書くことと職業作家になるのは別のことだよ」
「ふーん」
30過ぎの女の子に、もうすぐ50歳になる男の心境を説明するのは難しい。
50過ぎの男に説明するのも難しいが。

フランス紀行105

2002年 6月16日 

MGいわく、イライラしているのは日本人だけだ

「たしかに仕事はきついし、もうやってられないと思うこともあるけどね、
今日もいきなりひとりで6種類のクリームを作らなきゃいけなくて、
道具をとりにいったら、朝一番だからまだ洗い場の人が来てなくて、
鍋はよごれたままで、
それをやっと洗ったかと思ったら、
ほかの人に持っていかれちゃって、
残っているのは小さなボウルだけで、
同じ量のクリームを作るのに、それだとすごく力と手間がかかるのね、
こんなのじゃできないよって言ったら、
いや、おまえならできるよって軽く言われちゃって……」
「そりゃ大変だ」

「ときどきなんで私はこんなとこにいるんだろうって思うこともあるよ、
いったい自分は何をしてるんだろうって、
8年間働いてためたお金をこの1年でほとんど使っちゃうんだよ、
それで日本に帰っても、別に何の資格もないし、
実績を積んだことにもならないの、
日本には日本のお菓子業界の仕組みがあって、
お菓子の作り方もちがうし、
フランスで勉強してきたことがかえって邪魔になることもあるの」
「そうか……」

「でも、ときどき彼らはすごいなって思うの、
職場はいつもすごく忙しいんだけど、
みんなどんなに仕事に追われていても、
鼻歌うたったりして、どこか余裕があるの、
ひとり日本人の女の人がいるんだけど、
その人とフランス人では仕事のしかたが全然ちがうの、
日本人はいつもイライラしてるの、
フランス人はたしかに私が失敗するとバカとかまぬけとか言うけど、
本気で怒ってるわけじゃないの。
今日も結婚式用に背の高いケーキを配達に行った若い子がそれを落としちゃって、
ぐちゃぐちゃになったのを持って帰ってきたんだけど、
現場のリーダーは『しょうがねえな』と言っただけ、
絶対パニックになったりしないの、
それを作り直して届けておしまい、
そういうのを見てると、
こういう職場で働くのも勉強になるなって思うの」
「なるほど」

全1ページ

[1]


.
shu*i*ha*a
shu*i*ha*a
男性 / B型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31

Yahoo!からのお知らせ


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事