大神神社の鳥居はちょっと変わったかたちをしている。
二本の柱が横木を支えているのではなく、
太いしめ縄が二本の柱のてっぺんをつないでいるのだ。
長野の諏訪大社などのように、
神様の領域を示すしるしとして、
鳥居ではなく木の柱を立てるのが神社の古いかたちだというから、
これもそうした古いかたちのひとつなのかもしれない。
太いしめ縄はなんとなく大蛇を思わせる。
手洗い場には水を吐く蛇がいた。
手前の柱にはこんな句が。
酒造る隣に菊の日和(ひより)かな
万葉集に「うま酒 三輪の山」と歌われるくらい、この地は酒と関わりが深い。
そして奥には大蛇の胴体のような太い杉の木。
さっき見た巳の杉よりも蛇の神様が宿りそうな大木だ。
もともとのご神体であるはずの三輪山を忘れてしまうくらい、
このあたりは蛇のイメージに満ちている。
そして大蛇の内臓を思わせる、薄暗くて長い参道を歩き、
表の大鳥居を抜けると、
なんだか魔界から無事生還したみたいなすがすがしさを感じた。
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