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廃墟からさらに坂を登ると、うろこの家があった。
神戸観光に来た友人を案内がてら、何度か来ているので、見慣れた洋館なのだが、いつ見てもうろこの壁が美しい。普通ならこういう薄く切った玄武岩系の石は屋根にふくのだが、それを壁に使ったことで、まるで巨大な鳥のような家ができた。
ぼくの記憶によると、北野の異人館の中では、このうろこの家が一番高いところにあるはずだ。もうこれ以上登れないので、ふたたび路地を抜けながら坂を下る。
日本の仮想敵国は北朝鮮だろうか? 引き続き、日本の危機について考える。
アメリカと一緒になって北朝鮮やアフガニスタンをならず者国家呼ばわりしていても、密かに何十年も続いている別の戦争は終わらない。この戦争の相手はアメリカだ。
軍事的に占領された状態で、敗戦直後には財政援助を受けながら始めた戦争。アメリカがリードしてきた経済のゲームの優等生としてがんばりながら戦ってきた戦争。アメリカが経済・財政上の問題を抱え、円が200円台に、100円前後に誘導されても、貿易不均衡を叩かれても、そのつどコスト削減や現地生産で切り抜けながら続けてきた戦争。武力による戦争と違って、降伏による終結が許されない戦争。今度は中国のふところに潜り込んで、新しい経済戦争の中で道を切り拓いていくしかない。80年前には武力と謀略で中国大陸に活路を見出そうとして身の破滅を招いたが、あれにくらべたら今回の方が少しは気楽かもしれない。少なくとも侵略や大量虐殺の加害者としてのストレスを感じないですむ。
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