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4月28日(月)フェズ
夜10:00から朝7:00まで熟睡。近所のジューススタンド兼お菓子屋をはしごして、モロッコのお菓子6つとオレンジジュース、ホットミルクの朝食。ホテル周辺の新市街はフランスの都市のようだ。フランス統治時代に発展したからだろう。ヨーロッパの車が行き交い、女性たちもベールなしだ。あちこちにカフェがある。
銀行で300ドルのトラベラーズチェックを両替して(2,790DH)帰る。ティネリール以来たまっていた日記をつける。
フロントのおじさんが「部屋に何を残して出かけても安全だ」というので、試しにバッグの中にパスポート、航空券、トラベラーズチェック、現金のほとんどを残して昼食に出てみた。タクシーで駅に行き、列車の時刻を調べ、メディナ(旧市街)までゆっくりジョグ。メディナの門のすぐそばにあるレストランでチキンタジン(サラダ付き)とコカコーラの昼食。チキンは固くてパサパサだ。この国では羊肉が突出してうまいのに比べて牛肉も鶏肉もまずい(イスラム教国なので豚肉はない)。コカコーラがやたらと飲みたくなるのは疲れている証拠だ。こういうとき、この黒っぽい炭酸飲料がなぜ世界中でこれだけ飲まれているのかがわかる。
タクシーでホテルに戻る。Grand Hotel de Fesと言ったのに、なぜかシェラトンに連れて行かれた。文句を言うと、「シェラトンはHotel de Fesと呼ばれてるんだよ。Grand hotelに行きたいなら、de Fesはつけちゃだめだ」と言われた。Grand Hotelの正式名称にはde Fesがついているのだが。要するにやつが間違えたか、まぎらわしさにつけこんで余分に料金を稼ごうとしたのだろう。しっかり理論武装しているつもりでいかにも偉そうに自己主張するところがこの国のゲス野郎たちのいやなところだ。
ホテルに戻って荷物をチェックしてみたが、貴重品はすべて無事だった。ホテルの雰囲気からなんとなく安全らしいとは感じていたが、それが確認できてほっとする。古いホテルなのでセーフティーボックスのような設備はないのだ。
夕方まで洗濯少々と日記の続き。
6:00近くのカフェまで昨日案内してくれたガイドに会いに行く。6:20になっても来ないので戻ろうとすると、ホテルの方から彼がやってきた。ブルージーンの上下を着ている。昨日は白のジュラバを着ていたのでわからなかった。むこうもカフェには行ったのだが、ぼくがわからなかったという。アジア人はほかにいなかったからわかりそうなもんだが。今はすぐわかったんだから、たぶん嘘だろう。遅刻しただけなのかもしれない。
「なんでジュラバを着てないんだ?」とぼく。
「今日は午前中の仕事だったのさ。ジュラバを着るのはガイドをやるときだけだよ」と彼。
近くのカフェで交渉する。半日(4時間)120DH(1,560円)、1日(6時間)150DH(1,950円)が当局が決めている値段だから動かせないという。けっこうと安い。明日朝8:30にここで会おうと約束。
「どうしてホテルに来ないんだ?」とぼく。
「あのホテルは別のガイドと契約してるから、領分を侵すことになるんだ」と彼。
「じゃあこれは違法の仕事なのか?」
「違法じゃないよ。ガイドは国家資格があればあとは自営業だから自由にできるんだ。ただし、ホテルによってはガイド間の縄張りがあるんだ」
要するに違法じゃないが、同業者間の倫理的な問題らしい。つまり業界の中ではあまりほめられた行為じゃないわけだ。まあ、これからホテルにガイドの世話を頼むのも面倒なので、彼に頼むことにする。
最後に「明日はフランス人のカップルも一緒だけど」と言い出した。「おれの友人だから平気だよ。あんたが好きなところで立ち止まって写真を撮ってくれてかまわない」
モロッコで何かしようとするたびにこの手の不愉快な思いをしなければならない。法律や戒律さえ守れば、あとは図々しく自己主張してかまわないという価値観がいたるところに感じられる。ルールの中で自分の利益を追求するために様々な言い訳を用意し、自己主張し、話し合う。
まあ、どっちでもいいよ」とぼく。
モロッコ男と1対1よりフランス人も一緒の方がこの図々しさと1人で向き合わなくていいかもしれない。
昨日のレストランでブロシェット(羊肉の大きな串焼き)、フライドポテト、ニンジン、グリンピース添えの夕食。モロッコの赤ワインKsarのハーフボトル。あちこちレストランを探したが、店の雰囲気とメニューの豊富さはここが一番だ。
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