イージーライターのつぶやき

ちょっとマニアックな職業ライター兼アマチュア小説家が、作品と日常生活のつぶやきを紹介します。

京嵯峨野2008冬

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野々宮神社からさらに小径を奥へ進むと、前後に誰もいなくなり、
本当にひとりぼっちになってしまった。

暗く無音の竹林はすでに死後の世界のようだ。

こういう風景を見たくて嵯峨野に来たのだが、いざ来てみるとあまりにさみしい。

死とはこんなものなのかもしれない。

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天竜寺のある表通りを歩いていても嵯峨野らしい気分が味わえないので、
さっさと裏道に入る。

家族連れなどちらほらいるものの、小柴垣と竹林が続く小径はさみしいくらい静かだ。
気がつくと、いつのまにか前後に人影がなくなっていたりする。

野宮(ののみや)神社という小さな神社があった。
「源氏物語」で、六条御息所が伊勢神宮の斎宮になる娘を送っていくのを、源氏が見送りにくるのがこのあたりなのだという。

六条御息所はティーンエージャーだった源氏に恋の手ほどきを教えた年上の人妻だ。
まるでフランスの小説や映画みたいなストーリー。

今年は「源氏物語」が書かれて1000年だか、書き始められてから1000年だか、
とにかく1000周年という記念の年なのだという。

11世紀といえば、フランスにもイギリスにもドイツにも、ろくな文学がない時代だ。
数百人という膨大な登場人物が出てくる、この壮大かつ繊細な人間絵は、
世界の文学史上全部を見渡しても、かなり突出した存在だ。

高校時代に谷崎潤一郎の訳で読んで以来、まったく読んでいないが、
こういうものが日本に存在することを改めて誇りに思ったりする。

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渡月橋を渡ると天竜寺のある広い参道が続く。
最近どこの観光地にもある人力車がここにもある。
常に運動不足なので、乗る気になれないのだが。

オフシーズンの嵯峨野でどれだけ飲食店が開いているかわからないので、
とりあえず携帯食を持っていこうと参道の店を物色。
せっかく京都に来たんだから、コンビニのお菓子ではなく、
京都らしいものを食べたい。

結局、小さな桜餅の六個詰め合わせ800円を買う。
あんこ入りとあんこなしそれぞれ三個ずつ。

東京で桜餅といえばピンク色のぶあついクレープであんこを巻いたものだが、
関西の桜餅は餅米を半殺しにしたつぶつぶ餅だ。

老舗の桜餅は塩漬けのサクラの葉っぱごと食べるとうまいのだが、
ここのは葉っぱがちょっと固い。
それでも、つぶつぶ餅とあんこと、ちょっとしょっぱいサクラの葉っぱを同時に口に入れると、
春の香りが広がる。

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たぶん二十何年ぶりの桂川と渡月橋。
川縁は閑散としている。
小さな電車からはかなりの人数があふれ出ていったのだが、広い空間に呑み込まれてしまったらしい。

冷たそうな水に浮かぶ白い鳥たちが美しい。自分がこの冷たい水に浸かったらどうなるんだろうと考えると、見ているだけで身が引き締まる。

渡月橋は木製の橋かと思ったら車が渡っている。上流の方を見渡すと、木杭の1本に1羽ずつ鳥がとまっている。もっと安定した場所で休めばいいのにという気もするが、彼らにとっては他の動物がやってこないこの場所が一番なのだろう。

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1 月の暖かい午後、京都に出かけた。
嵐山から渡月橋を渡り、嵯峨野の竹林を眺めながら散歩したかったのだ。

子供の頃1年間京都に住んでいたことがあるし、その後も主に阪神間で高校まで過ごしたので、京都には何度となく来ているのだが、なぜか嵐山・嵯峨野はあまり記憶にない。

金閣寺・銀閣寺・清水寺みたいにベタでインパクトの強いお寺はよく覚えているし、その後大人になっても何度か行っているのだが、嵐山・嵯峨野エリアはわりと渋い名所が多いせいか、成人してから行っていない。

東映太秦撮影所がテーマパーク化した頃にはすでに中年の域にさしかかっていたので、行く気にはなれなかった。

しかし、最近「そうだ、京都行こう」のCMで、念仏寺や祗王寺を見るたびに、嵯峨野に行きたくなる。

古来、嵯峨野は死体を葬る場所だった。念仏寺の無縁仏はその名残りだ。
送葬の地に惹かれるのは、歳をとって死が身近になってきたせいだろうか。

死とは単なる生の終わりではない。それ自体、生の中で色々な相貌を持つ終末の予感なのだ。そこにはネガティブではあるけれども一種のエネルギーさえある。

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