イージーライターのつぶやき

ちょっとマニアックな職業ライター兼アマチュア小説家が、作品と日常生活のつぶやきを紹介します。

失われた時探訪

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全12ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11]

[ 次のページ ]

イメージ 1 イメージ 2 イメージ 3 イメージ 4 イメージ 5

イメージ 5

奈良公園を横切って猿沢池〜奈良駅方面へ下る。

もうすっかり夕方なので、

興福寺にも寄らない。


でも、ちょっとだけ五重塔を眺めていこうかと、

坂道から急な階段を上がってみたら、

途中に赤い前掛けをしたお地蔵さんたちがずらり。

雨に濡れた前掛けの赤の鮮やかさと、

黒ずんだ石の対比が、

あんまり美しいのでつい見とれてしまった。



階段の上には興福寺から地続きの赤いお堂。

そのむこうに五重塔。

塔はいたるところにあるけど、

奈良公園や猿沢池などいろんな角度・距離から見えるこの五重塔は、

見るたびに違った趣を見せる。



というわけで、今回の奈良散歩はここでおしまいです。

イメージ 1 イメージ 2 イメージ 3 イメージ 4 イメージ 5

イメージ 5

邸宅街を抜け、奈良公園方面へ少し歩くと、

草の斜面で鹿の群れが草をはんでいた。

雨に濡れた草がビロードのような輝きを放っている。


この草地は鹿が草を食べることによって自然ときれいに刈り込まれた感じになったのだろうか?

それとも、鹿の放牧場として行政や春日大社や寺院が整備しているのだろうか?


たしか若草山は毎年山焼きをやって草地をちゃんと養生しているはずだが、

ここもその続きだろうか?


なんてことを考えながら、のんびり草をはんでいる鹿たちを眺める。

立ち止まって見ているあいだ、鹿は食べることに集中しているが、

こちらがちょっとでも動くと、ビクッと頭をもたげてこちらを見る。


興福寺前や東大寺・南大門あたりには、観光客をなめきって何の警戒心も示さない鹿、

鹿せんべいをねらってすり寄ってくる鹿が多いが、

ここの放牧地の鹿にはちゃんと野生動物の警戒本能が残っているらしい。


だからこの美しい草地の中で、一層美しく見える。

イメージ 1

イメージ 2

新薬師寺の帰りはゆるやかな下りなので駅まで歩いた。

途中、邸宅街の中に志賀直哉邸を発見。



東京出身のはずだが、「暗夜行路」を書いたときは尾道に住んでいたり、

あちこち転居しながら暮らしたらしい。



ぼくより奈良に詳しい兄によると、

志賀直哉は奈良の寺や仏像に惹かれてかなり長期間ここに住んだとのこと。

家は当時新築で、志賀みずから設計した。

これに刺激されて、小林秀雄など文筆業者たちが何人も奈良に移住したという話もある。


物書きって昔から売れればもうかる商売だったんだなあ。


このあたりは戦前の古い邸宅街らしく、

今では考えられないような広い庭を持つ屋敷が並んでいる。


奈良は明治以降、大阪や神戸、京都のようにビジネスが発展した地域ではないのだが、

一体どういう人たちがこんな豪邸を建てたんだろう?



志賀直哉のように奈良の文化に惹かれて移り住んだ豪商たちもいたんだろうか?



京都にも東山あたりにそうした豪商たちの邸宅街があるが、

いかにも富と権力の産物といった感じの京都の豪邸にくらべて、

奈良の邸宅街はそれよりも渋く落ち着いている。


京都より古い都だけに、

権力の中枢という役割を早くに卒業した都市としての枯れた風情、風格のようなものが感じられる。

イメージ 1 イメージ 2 イメージ 3 イメージ 4 イメージ 5 イメージ 6 イメージ 7

イメージ 7

もう夕方近いし、このまま駅に戻って帰ってもいいかなと思っていたのだが、

人通りのない通りで静けさに浸っていたら、

突然なにか天平時代のものが見たくなった。



今さら江戸時代に再建された大仏殿を見るのもなんだし、

興福寺に寄ってブームに火がついた阿修羅像を見るのもしゃくにさわるので、

どうせならまだ行ったことのない寺に行こうと、

市内巡回パスに乗り、新薬師寺に行った。



春日大社をすぎたあたりでバスを降り、

静かな邸宅街が続くゆるやかな坂を登って、

旧柳生街道へ続く道を右折。

新薬師寺は小さく、静かな寺だった。



白鳳時代の薬師寺の大伽藍とちがい、

こちらの見どころは小さな本堂のみ。



ご本尊の薬師如来より、

そのまわりをぐるりと囲んで守っている

十二神将像たちがこの寺のメインキャストだ。



天平時代の多彩でリアルで、

しかもどこか幻想的な作風が、

見る者の心を揺さぶったり静めたりしてくれる。



なんどもゆっくり回って眺めているうちに、

なんだか長い演劇か何かを鑑賞し終わったような満足感、達成感がやってくる。



堂内写真撮影禁止なので、

言葉だけでご勘弁を。

イメージ 1

イメージ 2

この通り、立ち止まって壁やあざみの花を茫然と眺めていても、

人っ子ひとり通らない。

おかげですべてが止まっているという感覚を味わうことができる。

この眺めは江戸時代からおそらくほとんど変わっていないだろう。

タイムマシンのような通路を歩いているような錯覚を味わう。

全12ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11]

[ 次のページ ]


.
shu*i*ha*a
shu*i*ha*a
男性 / B型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

Yahoo!からのお知らせ

[PR]お得情報

CMで話題のふるさと納税サイトさとふる
毎日お礼品ランキング更新中!
2019年のふるさと納税は≪12/31まで≫

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事