イージーライターのつぶやき

ちょっとマニアックな職業ライター兼アマチュア小説家が、作品と日常生活のつぶやきを紹介します。

失われた時探訪

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迷路の至るところに、赤茶色や焦げ茶色の焼き物が、
土留めとして、あるいは道路の滑り止めとして使われている。

そのかたちが変化に富んでいるので、見ていて飽きない。

テレビの旅番組なんかで紹介されるのは、
焼酎を保存したという甕がびっしり並んだ石垣だが、
これはよくよく見るとけっこう気持ち悪い。

もうひとつ目につくのは土管を縦に並べた石垣で、
こちらは昔よく歳暮や中元でいただいた、
明治屋のソーセージの缶詰を連想させる。

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喫茶店を出て、迷路のように入り組んだ道を歩く。
人一人がやっと通れるような細い曲がりくねった道や、
急な坂、階段がいたるところにある。

焼き物という産業で発展したなら、
平地に整然と区画整理をして工場を造った方が効率がいいと思うのだが、
あまりに古くから発展したから、
こういう丘陵地帯の山村みたいな町ができあがったのだろう。

そしてさすがにここでは効率が悪いと感じて、
焼き物業者は周辺の平地へ降りていったのだろう。

それがINAXの伊奈製陶ほかの近代陶磁器メーカーへと発展していったのかもしれない。

産業が廃れたわけではないから、
この伝統ある丘の旧市街は比較的きれいに保存されることになった。

おかげで我々は、古い時代の産業のありかたと、
懐かしい山里の雰囲気が融合したような独特の街並みを楽しむことができる。

それにしてもなぜ常滑は丘の上で発展したのだろう?
いい土がとれたからだとどこかの本に書いてあったが、
それなら土をとってきて平地の工場で陶器を造ればいい。
昔は山の傾斜を利用した登り窯が盛んだったから、
平地よりは丘陵地帯の方が窯業に向いていたのかもしれない。

それにしてもこの常滑がある知多半島や、
となりの渥美半島は不思議な土地だ。
伊勢湾と三河湾にまるで動物の角みたいに細長く突きだしている。

このふたつの湾には飛騨山地や木曽山脈からたくさんの川が注ぎ、
大量の土砂を運んでくる。
知多半島も渥美半島もこうした土砂の堆積で細長く伸びながら形成されたのだろう。
だからどちらもほとんど真っ平らだ。

しかし、ところどころにこの常滑みたいな丘がある。
この丘はもしかしたら元々は島だったのかもしれない。
川が運んできた土砂が、点在する島々の周辺にたまり、
半島を形成する核になっていったのだろうか?

そんなことを考えたのは、
常滑の土が良質の粘土だったというのが不思議だったからだ。

知多半島が川に運ばれた土砂で形成されたとしたら、
土はさらさらとしていて、焼き物には向かないんじゃないかと思うからだ。

常滑の中でもこの丘陵地帯はもっと古い時代に形成され、
地殻変動の影響を受けながら、粘土質の土を地表に近いところに露出させた。
それを古代の人が見つけてこの地で焼き物を始めた。
そんな遠い昔のことを想像してみると、
この廃墟のような町がとても美しく見えてくる。

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まだ30分も歩いてないのに、ものすごく腹が減ってきた。

常滑に着いたのが昼だったから、散歩を始めた時点ですでに腹が減っていたのだが、
どうせなら古い街並みの中で食べようと思ってまっすぐここまで来た。

しかし、旧市街は市街と言うより民家と工場があつまった山村という雰囲気で、
観光客向けの飲食店がほとんどない。

地図に出ていた和食店をのぞいたら、
まだ1時前だというのに、
「もうごはんが終わっちゃったんで閉店です」と言われた。

しかたなく近くの民芸調喫茶に入る。
日替わりの昼定食はサバの塩焼き。
ごはんは玄米が選べる。
なかなかうまい。
野菜たっぷりの副菜と味噌汁とコーヒーがついて800円。

食後のコーヒーはタンポポコーヒーとのこと。

最初、そういう名前なのかと思っていたのだが、
テーブルにあった説明によると、
タンポポの根っこだか葉っぱだかを乾燥させた、漢方薬みたいなものだという。

なるほどコーヒーとは別物だが、
なかなか香ばしくておいしい。

甘草だか甘みのある漢方薬も入っていて、
ほのかな甘みがいい。

店を切り盛りしているおばさん2人は、
東京でときどき見かける健康志向の山の手夫人みたいだ。

予想外の場所で、健康食の不意打ち。
好みにもよるだろうが、
健康オタクとしては、なんだかちょっと得した気分だ。

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猫の通りを陶磁器会館の手前で右折すると、小高い丘に登る道がある。
そこから先がいわゆる常滑の古い街並みだ。

町といっても樹木が鬱蒼と茂った民家もあって、
なんだか鎌倉の銭洗い弁天あたりを歩いているような気分になる。

鎌倉とちがうのは山の斜面にびっしり赤茶色の土管が埋められていることだ。
石垣の代わりに、不良品の焼き物を利用したとのこと。

少し歩くと焼き物工場があった。
今は営業していないのだろう。
黒板壁の建屋はひっそりと静まりかえり、
レンガの四角い煙突が冷え切っている。

あちこちに数字がついた道標が立っていて、
その数字が観光案内所でもらった地図と付合しているので、
自分がどこを歩いているのかわかりやすい。

今は窯業をやめて、古い街並みを利用した観光で生きているのだろうか。

平日の昼間なので、観光客はまばらだ。
白いワイシャツにネクタイを締めたサラリーマン風のおじさんが数名歩いているが、
出張のついでに観光しているんだろうか?
それとも陶磁器関係の仕事をしていて、
近くのINAX本社に来たついでに見学しているとか?

INAXの伊奈製陶は、その名前からなんとなく信州の伊那盆地にあると思っていたのだが、
よくよく見ると字が違う。
資料によると、本社はこの常滑にあるらしい。
もともと常滑発祥の会社なのだ。
こうした黒板壁とレンガの煙突の工場から発展し、
全国的なメーカーになったのだろうか。

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関西の親の家に行くのに、どこか寄り道したくなって、
愛知県の常滑に行ってみた。

名古屋の南に細長くのびた知多半島にある焼き物の町だ。

焼き物の歴史は平安時代にさかのぼるというからものすごく古い。

ただ、焼き物といっても芸術・工芸的なものではなく、
漬け物や梅干し、酒などを保存する甕といった日用品が多いようだ。
明治以降は土管がさかんに造られたという。

今はそうした需要も減り、
町は昔の面影を残したままひっそりとしているという。
古い街並みを紹介するテレビ番組で何度か見ただけだが、
ここ数年、そういう街並みを歩くのが趣味のひとつになってきたので、
一度行ってみたいと思っていた。

名古屋から名鉄の中部国際空港行き特急で約30分。
あっというまに着いた。
特急といっても、特急料金を取られるのは前三両の特別車両だけで、
うしろの普通車両は乗車券だけで乗れるので、東京で言えば快速みたいなものだ。

駅周辺はがらんとしていて、古い街並みは見あたらない。

観光案内所でイラストマップをもらって、
古い窯のある地区へ向かう。

歴史地区は小高い丘の上にあり、
丘を切り拓いて通した道路を歩いていくと、
まず崖の上から巨大な招き猫がお出迎えしてくれる。

招き猫というのは焼き物なんだろうか?
もしかして、全国の招き猫の何割かがここ常滑で造られているとか?

崖には様々な猫の焼き物が埋め込まれている。
新しいものらしいが、
これも観光地としての魅力アップ作戦だろうか。

修学旅行だか社会科見学だかの中学生or高校生たちが、
写真を撮りながら熱心に見入っている。

古い街並みを見に来たぼくとしては、
それほどの魅力を感じないのだが。


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