イージーライターのつぶやき

ちょっとマニアックな職業ライター兼アマチュア小説家が、作品と日常生活のつぶやきを紹介します。

美濃飛騨紀行2008夏

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大きい方の荷物を天ぷら屋にあずけて、メインストリートを歩いた。
10分足らずで木曽川の堤防に突き当たり、その手前に旧中山道が通っている。

中山道が名古屋のはるか北を通っているというのは、なんだか意外な気がする。
尾張徳川家がおさめる大都市をどうして避けていたんだろう?
そういえば東海道も名古屋を通らずに、手前から三重の桑名へ船で渡るようになっていたはずだ。
徳川御三家の水戸も紀州も、考えてみればわりと辺鄙なところにある。
流通経済に巻きこまれるのを避けたんだろうか?

太田宿はすっかりさびれていた。
昔の本陣跡や造り酒屋など、ところどころ古い建物が残っているが、
そのせいでなんだかよけいに廃墟のような町に見える。
古い建物のひとつが無料休憩所になっているのだが、
入ってみたら誰もいなかった。

何か超常現象で突然町から人がいなくなってしまったような、
さみしいというより不気味な空気がよどんでいる。

このあたり、高い堤防で守られる前は、木曽川がよく氾濫しただろう。
よくまあこんな場所に宿場を造ったものだ。

こういう旧道を歩いてみて驚くのは道の狭さだ。
こんな道幅で足りる程度の人と物資しか行き交っていなかったのかと思うと、
近代の流通がどれだけ異常かがわかる。

宮崎のピーマンや熊本のメロンを東京や大阪に運ぶような無駄をやめて、
生鮮食品は半径数十キロ以内でまかなう体制を整えれば、
輸送コストも燃料も大幅に節約できるのだ。
まあ、その無駄こそが流通という巨大産業を支えているのだが。
物資の遠距離輸送をやめたら、そこで生計を立てている人たちは職を失うことになる。
近代以降の経済は、そういう無駄な仕組みによって無理矢理成長してきたのだ。

地球の環境汚染が進み、だぶついた投機マネーが世界経済を食い荒らす今になってみると、
経済成長というのは、一種の精神病にすぎないという気もする。

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飲食店さがしをあきらめて、さっき通りかかった天ぷら屋に入る。
カウンターだけの小さな店だ。

大人しそうなご主人がひとりでヒマそうにしていた。
メニューは天丼が1480円(天ぷら定食はたしかもっと高かった)とけっこう高い。

このひっそりした町で天ぷら専門を貫いているだけあって、
出てきた天丼はなかなかうまかった。

海から遠い内陸だが、海老・魚の鮮度も質も問題なし。
流通が発達した現代では、
どんな山の中でも漁港からその日のうちに魚が届く仕組みができあがっているのだ。

そういえば昔、長野の山奥の白骨温泉でびっくりするくらいおいしい刺身が出てきたことがある。
その夜、風呂に入りに行くと、脱衣場で蝶ネクタイをはずして服を脱いでいるおじさんがいた。
風呂に浸かりながら話を聞いたところによると、魚の卸商だという。
その日の朝、富山の漁港であがった魚を車に積んで、
契約している旅館に順次魚を届けていき、最期の終点である白骨温泉に一泊して、翌日富山に戻るのだという。
こういうサービスをやる業者もいるので、やる気さえあれば、日本中どこでもいい魚を出すことは可能なのだ。

この天丼定食、魚介だけでなく、野菜もなかなか味があってうまい。
漬け物や味噌汁に入っている野菜まで、人をほっとさせるおいしさだ。
値段が高いのは、それだけ材料にこだわっているからなのだろう。

天丼をおいしくいただいたあと、天ぷら屋のご主人としばし雑談。

「このあたりはブラジル人多いですよ。日立とかソニーとか工場がたくさんあるからね」

そうか、岐阜市から特急で15分ほど走っただけだから、このあたりはまだまだ工業地帯らしい。
そういえば去年の暮れに取材した岐阜の大垣でも外国人をたくさん見かけた。
メーカーも利益を出すのに必死だから、少しでも安い労働力が必要なのだろうが、
海外に生産拠点を作ったり、安い派遣労働者や外国人労働者を雇ってコストを下げる努力ばかりしていると、日本国内の消費市場が貧困化して衰退し、やがて企業のビジネスを衰退させることになる。
海外の経済新興国もやがては同じ運命をたどるだろう。

社会主義が滅びていい気になっているアメリカ型経済の信者たちは、社会主義がいかに20世紀の資本主義の暴走を抑制し、健全な経済発展に寄与したかを理解していない。
社会主義の足かせから解放された今の資本主義経済は、もう一度20世紀初頭の暴走を始めている。
その暴走は大多数の人間の貧困化と社会不安を引き起こし、20世紀の世界大戦に代わる新たなカタストロフをもたらすだろう。
カネ・資本は人体における脂肪に似ている。
それは人体の健康に欠かせない役割を担っているが、それ自体が異常に増殖すると、逆に人体を滅ぼしてしまう。
資本が経済の道具であることをやめ、増殖を自己目的化したときから、病魔が生まれる。

「うちで使ってる野菜は、ほとんど私がうちの庭で作ってるんですよ」と天ぷら屋のご主人。
なるほど、天丼の野菜がおいしいのは、ご主人が自分でこだわって作っているからなのだ。

ご主人はデザートに西瓜のシャーベットを出してくれた。
この西瓜もご主人が育てたものだという。

西瓜の淡くて上品な甘さが口に広がる。
リチャード・ブローティガンの小説「西瓜糖の日々」を思い出した。

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特急ワイドビューひだに35分ほど乗り、11:18美濃太田着。

長良川鉄道はものすごくマイナーな鉄道らしく、切符売り場がない。
改札口さえない。

切符はホームで買うらしいので、とりあえずホームに降りてみると、
11時台の電車は出たばかりで、次は1:01までない。

同じ特急で着いたらしい初老の夫婦もショックを受けている。

また腹が減ってきたので、とりあえず昼飯をどこかで食べることにする。

駅前広場にはビジネスホテルのようなホテルがあるだけ。
近くに「魚民」の看板が見えるが、ランチをやっているとも思えないので、
広場を渡って、メインストリートらしい通りを歩いてみる。

陽射しが肌に痛い。
日向の気温はたぶん軽く40度を超えているだろう。

去年、最高気温の記録を更新したのが岐阜の多治見だったことをそのときになって思い出した。
岐阜=山岳地帯=涼しげというイメージを漠然と抱いていたのだが、
真夏の内陸の盆地はものすごく暑いのだ。

荷物をコインロッカーに預けてくればよかったと、そのときになって思ったが、
もう引き返すのもだるい。
そもそもコンコースから広場に降りるまでに、コインロッカーらしいものは見あたらなかった。
見落としただけだろうか?

メインストリートにはつぶれた喫茶店やつぶれかけた喫茶店兼大衆食堂みたいなものしかない。

小さな天ぷら屋があったが、のれんを出しているだけでメニューがわからない。
高いだろうか?

コンビニの前におそろしくスカートの短い女子高校生が立っていた。
鏡をとりだして、ものすごく長いまつげをしきりにローラーでなでている。

その隣のビルから白人ぽい顔をした少年が出てきた。
そういえば広場の近くで、ママチャリに乗っている外人の若い男を見かけたが、
外人の多い町なんだろうか。

その先まで少し歩いてみたが、あまりの厚さに頭がクラクラしてきたので引き返す。

スカートの短い女子高校生は、母親らしい女が運転するトヨタヴィッツが迎えに来て行ってしまった。

コンビニの隣のビルから外人の少年少女たちがゾロゾロ出てきて、
小型のバスに乗り込んでいく。
バスには「ブラジリアンスクール」と書いてある。
ブラジル人が多い町らしい。

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7月14日(月)

十二指腸潰瘍の療養をしようと、親・兄弟がいる関西に行くことにした。
転地療養というやつだ。

しかし、それだけでは気分転換にならないので、
ちょっと小旅行をすることにした。

行き先はテレビの旅番組なんかでよく紹介されている岐阜県の郡上八幡。
古い街並みが残っている小京都みたいな町だという。

朝8:00過ぎに家を出て、新横浜から新幹線に乗り、あっというまに名古屋へ移動。

病気のせいで新横浜で郡上八幡までの切符を買うような気力はないから、
とりあえず名古屋までの切符を買って、
新幹線の中で旅のガイドブックを開き、行き方を調べたところ、
名古屋からJR高山線に乗り換えて美濃太田というところまで行き、
そこから長良川鉄道に乗り換えてさらに1時間半くらいかかるのだという。

長良川鉄道は私鉄らしいので、名古屋のみどりの窓口でまず美濃太田までの乗車券と特急券を買う。

それだけでぐったり疲れた。
特急のワイドビューの出発まで30分ほどあるので、コンコースの「リトルマーメイド」で休憩。

朝食が早かったせいか、すでに腹が減っている。
クイニーアマンみたいなお菓子系のパンとブルーベリーだかカシスだからの飲み物を注文したら、
ものすごくでかくて氷がザクザクのフラッペみたいなのを渡された。

パンはうまいが、フラッペ的ジュースは冷たすぎて弱った胃にこたえる。
体調不良だからといって、あまりぼおっとしていると、
こういう失策をやらかして余計に胃を荒らしてしまう。

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