イージーライターのつぶやき

ちょっとマニアックな職業ライター兼アマチュア小説家が、作品と日常生活のつぶやきを紹介します。

美濃飛騨紀行2008夏

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合掌造りの民家の中に、少し変わった感じの建物があるなと思ったら、お寺だった。

鐘楼を兼ねた山門みたいな建物は、
なんだか戦国時代の村の物見櫓のようでもあり、
吉野ヶ里遺跡のイメージイラストだか模型だかで見た櫓のようにも見える。

日本ではいつから藁葺き屋根の建物を使い始めたんだろう?

弥生時代どころか、八ヶ岳の縄文時代の遺跡で見た竪穴式住居の復元モデルも、
たしか藁でできていた。

藁葺き屋根を持つ木造建築は、竪穴式住居を木の柱と壁でもちあげただけなのだ。
三内丸山遺跡で太い柱が見つかったことからもわかるように、
縄文時代でも、公共建築は竪穴式ではなく、ちゃんと木の柱と壁を持っていた。

こうした木造建築のルーツはものすごく古いのだ。

このお寺の木造建築を見ていると、
なんだか仏教伝来よりはるか以前からここに建っているんじゃないかという錯覚に陥る。

素朴な白木の建築だからだろうか、
奈良の古いお寺より古いはずはないのに、
その何倍も時を経てきたように見えるのだ。

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木と草の家がまるでキャンプ場のテントのように密集している。
家々のすきまに田んぼはごくわずかだ。
これでどうやって食糧を確保していたんだろう?

養蚕業に特化して、蚕を育て、繭玉を売り、
そのカネで食糧を買っていたんだろうか。

合掌造りの2階から上は蚕を飼うためのスペースだと子供の頃習った。

しかし、あたりを見回しても蚕のエサになる桑の木は見あたらない。

養蚕業が衰退して、桑畑をほかの作物の畑に変えてしまったのか、
あるいはここから見えないところに広大な桑畑があるのか……。

どうしてそんなことばかり気にするのか我ながら不思議だが、
こういう山村が自分にとっての原風景で、
ここに立っただけで、故郷に帰ってきた気になるからだろうか。

多くの人がここを訪れるのも、
たぶん帰ってきた気になるからだろう。

ほとんどの人にとって、実在の故郷はもっと平野の中にあったり、
都会だったりするのかもしれないが、
日本の生活圏のほとんどが、殺伐としたものになってしまった今、
我々にとってこうした山奥の山村が擬似故郷なのだ。

そんなからくりはわかっていても、
合掌造りの家の中から、誰か親戚が出てきて、
「お帰り」と言ってくれるところを想像してしまう。

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大きな川にかかった細長い橋をわたると、別世界が広がっていた。

わらぶき(茅葺き?)屋根の家々が、重なるように並んでいる。
睡蓮に覆われた池、青々とした田んぼ、背の高い花々が美しい。

子供の頃、母の故郷で見ていたのも、
合掌造りではないにせよ、こんな感じの農村だったはずなのだが、
あの頃は、それが美しいと感じるセンサーを持っていなかった。

美しいという感じ方には、かなり「なつかしい」という感じが混じっている。
失われてしまった時間や、自分のルーツに対する哀惜の念なのかもしれない。

子供のとき、それを美しいと感じなかったのは、
ふりかえる過去がなかったからだ。
子供には、なくしたもの、二度と戻ってこないものなどなにもない。

大人になり、いろんなものを失なうにつれて、
美しいものへの感覚も磨かれてきた。
かつては美しいと感じなかったものと一緒にタイムスリップできるようにもなった。

それは進歩だろうか、衰弱だろうか。

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7月16日(水)

今日は関西の親の家に行くので、
高山の近くの飛騨古川に寄って蔵の街並みを見てから名古屋に出ようと思っていたのだが、
朝食のついでに駅の隣にあるバスターミナルに寄ってみたら、白川郷まで50分で行けることがわかった。

ガイドブックにはバスで片道1時間35分、1日3本から5本出ていると出ていたので、関西に行く前に往復はきついかなと思っていたのだが、
高速道路が富山まで開通して時間が短縮され、本数も10本くらいの増えたようだ。

9:50高山発で10:40白川着、15:20白川発で16:10に高山に戻ってこれる。
つまり白川郷で4時間半以上のんびりできるわけだ。

ホテルに引き返し、そそくさと荷物をまとめ、バスに乗る。
夏休み前なのでバスはすいていた。

居眠りするヒマもなく、あっというまに白川郷に着いた。

今日も猛暑。
炎天下のわらぶき屋根が、遠い昔に東北で見た民家のように思える。

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飛騨牛の食い過ぎで苦しい。

ほろ酔い気分で夜の旧市街を歩く。
観光客はほとんど見かけない。
みんな旅館でくつろいでいる時間帯なのだろう。

暮れなずむというのはこういう空の色を言うのだろうか、
青から藍色へ次第に濃くなりながら、
それでも真っ黒にはならない透明感のある宵闇。

昼間見かけた石造りの喫茶店も、
花の赤が闇に浮き上がって美しい。

古い町屋の続く通りは店を閉め、明かりを落とし、しんと静まりかえっている。
その暗さ、静けさが、さみしさをかきたてる。
昼間の観光客でにぎわっていたときはテーマパークのようだと感じたが、
夜は営業を終えたテーマパークのようだ。

少し歩いていると、
町屋のところどころからかすかな明かりがもれてきて、
人の囁き声が聞こえてきた。

店の2階が住居になっているらしい。
観光客が消えても、地元の人たちはその存在を隠すように、
ひそやかに暮らしているのだ。

闇の中、かすかな光に浮かび上がる花々が美しい。
高山で今日見たものの中で、一番美しいかもしれない。


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