長良川鉄道の、ほとんど客がいないディーゼル列車に揺られて美濃太田へ戻る。
宿の女将さんの話では、この路線は元国鉄で、今は第三セクターなのだという。
「私らが若い頃は、いずれこの線が福井までつながるんだと思ってました」とのこと。
なるほど地図を見ると、終点の美濃白鳥から福井県との県境まではほんのわずかの距離だ。
峠を越えるとすぐ九頭竜湖があり、その端まで福井側の路線が来ている。
しかし、期待通りにはならず、国鉄は民営化され、
この路線も切り捨てられた。
数字優先の経済成長を選んだ日本は、
どんどん山間部・田園地帯がさびれ、
富は都市部へ、さらに地方都市から首都圏へと一極集中していく。
都市で経済のゲームに神経をすり減らした人たちが、
田舎暮らしにあこがれ、田舎に癒やしの旅にくる。
富は都市へ、心は田舎へという、奇妙な流れのサイクル。
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