職人町から川縁へ折れると、網と長靴をほしてある民家があった。
たぶん鮎漁に使うのだろう。
投網で一気に鮎を捕ったら、竿で釣っている鮎釣り人はたまったもんじゃないと思うが、
そのへんの住み分けはどうしているんだろう?
長靴の間から可愛い犬が顔をのぞかせていた。
見知らぬ旅人を、吠えもせずに不思議そうに見つめている。
この町は人もそうだが、犬もどこか品格を感じさせる。
決して愛想よくはないのだが、
よそ者に対して適度な距離を保ちながら接する術を心得ているという感じ。
交通の要衝で、昔からよそ者と接してきた伝統だろうか。
川を渡ると小さな古い寺があった。
古びた木の山門と本堂。
神仏習合のなごりなのか、どこか神社っぽい雰囲気もある。
関西や地方の古いお寺/神社によくあるおおらかな空気感。
明治政府の神仏分離例なんて知ったことかという、
伝統文化の気概を感じさせる。
建物の古びた木の質感がたまらなくいい。
白茶けた木の肌から、
いい人生を送ったお年寄りの肌や表情にあるようなぬくもりが、
こちらの心にしみいってくる。
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