若草山の先は山の緑が急に深くなる。
赤い鳥居が見えたと思ったら、
そこはもう春日大社の敷地内だった。
参道には信者たちが寄進した石灯籠がずらりと並ぶ。
あちこちに小さな祠があり、
祈願の絵馬がびっしり、カキやムール貝のように密集している。
小祈祷5千円、中祈祷1万円、大祈祷5万円という、
祈祷所に掲げられた露骨なメニューが、
信者たちの幸せに生きたいという思いの強さを物語っている。
たしか春日大社は元々藤原氏の氏神を祀った神社だが、
藤原氏が京都へ移り、様々な姓に分かれ、
歴史の舞台から消え去った後も、
こうして信仰の装置として存続しているというのはすごい。
仏教寺院とちがって、神社には願い事を叶えるというシステムがある。
庶民の欲望が線数百年続くこの信仰装置を今も支えているのだ。
その仕組みがすごい。
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