イージーライターのつぶやき

ちょっとマニアックな職業ライター兼アマチュア小説家が、作品と日常生活のつぶやきを紹介します。

大和路紀行2008秋

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JR奈良駅前やならまちの商店街などいたるところで、
平城遷都1300年記念キャンペーンのキャラクターせんとくんを見かけた。

すでに批判の声があがっているらしいが、
大仏さんを戯画化したような子供の坊さんが鹿の角を生やしているのがなんとも不気味だ。

奈良と言えば大仏と鹿!という発想は別に悪くないと思うが、
子供として戯画化した時点で、すでに大仏さんは東南アジアの小乗仏教国の子供にしか見えないし、
半裸の姿と腕にはめた腕輪がなおさらその雰囲気を強調している。

その子供の頭に鹿の角を生やしたことについては、すでに大仏ではないので、
「大仏/仏様を冒涜している」という批判は的外れだと思うが、
それでも見ていてかなりきもちわるい。

今回発見したのは、このせんとくんとは別にまんとくんという相方がいることだ。
こちらは極度に肥満した鹿らしい。まん丸の温泉まんじゅうみたいなあたまに、
せんとくんの角より尖った角を生やし、その名の通りまんとをはおっている。

ちゃんと鹿の相棒がいるなら、
せんとくんのあたまにも角を生やしてブツギをかもす必要があったのかどうか。

それはそれとして、
せんとくんのせんとが「遷都」にかかっているのはわかるが、
まんとくんのまんとは何にかかっているんだろう?

あるいは、せん(千)に対してまん(万)という、安易な言葉遊びなのか?

まあ、地方自治体が自分の予算でどんな言葉遊びをしようが、不気味なキャラクターを作ろうが、
少しもかまわないのだが、
日本文化の原点としての格調みたいなことをもう少し考えてほしい気もする。

いかにも地方公務員のセンスで決めた感じのゆるキャラは、
現実の奈良にある素晴らしい文化財とあまりに落差があってもの悲しい。

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ようやく腹がへってきたので、ホテルの方へ戻る。

またまたお地蔵さんの集団を発見。

昨日からこういう地蔵塚や地蔵堂をいくつ見ただろう。

どれもちゃんと布の前掛けがしてあって、場所によっては花やお菓子が供えられていたりする。

お寺がたくさんあるのに、そこの仏像を拝むだけでは物足りないので、
家の近所にも石のお地蔵さんや観音様を立てて毎日拝む。
その信心深さに脱帽。

東京でもときどきこういうのを目にするが、
ここまでたくさんの地蔵堂・地蔵塚はない。

歴史と伝統の違いか、
それとも東京が都市化・近代化の過程でこういうものをかなり排除してしまったのか。

ホテルの近くの交差点でふと何かに見られているような気がしたので振り返ると、
人形専門店のショーウインドーに、
ものすごい派手な衣装で眼を向いている化け物の人形がいた。

たしか薬師寺だか東大寺だかでやる舞楽のキャラクターがこんな感じだ。
唐の時代の舞楽を保存しているらしいが、
この突き抜けた感じは、のちの日本文化の侘びさびとは全く違う、
古代グローバリゼーション時代のエネルギーを感じさせる。

これがいかにも奈良らしい。

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腹をすかせるためにならまちをあてもなくブラブラ歩く。
京都の町屋よりも生活感のある長屋っぽい家が多い。
朝の準備に追われる店、散歩するおじいさん、犬を散歩させるおばさん……。

と思ったら、奥に広大な空間を持つ町屋があったりして、奈良の底力を感じる。

中が見学できる町屋はもっと遠いところにあるらしいが、
まだ朝の8時台なので、あいてるはずもなく、
ガイドブックも持ってきてないから、行き着けるはずもなく、
気になった建物をひたすらじろじろ見る。

あやしいおっさんに見えるだろうか。

「古梅園」という見覚えのある古い看板を掲げた大きな町屋があった。
たしか、東大寺の二月堂から若草山に通じる道にあった墨・硯・筆の店だ。
もしかしたらあれは支店で、こっちが本店なのだろうか?

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ゆうべ食い過ぎたのか、なかなか腹が減らないので散歩を続ける。

猿沢池からゆうべもうろついたならまちへ。

小さな川に小さなお地蔵さんをたくさんのせた石の船があった。
いつ誰が何を考えて造ったんだろう?
もともとそこらにあったお地蔵さんを、無縁仏みたいに集めて祀ったようにも見えるし、
何かを祈願してゼロから造ったようにも見える。

船の行き先はどこだろう?
ぱっと見はあの世行きという印象だが、
造った人は未来への想いを込めたのかもしれない。

今でも赤い前掛けを取り替えて、
お地蔵さんをケアしつづけている地元の人たちがいるのがとてもありがたく、
思わず手を合わせてしまう。

お地蔵さんだけでなく、地域の人たちのそうした想いもまた尊い。

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法隆寺ウォーキングで疲れたのか、8時間近く熟睡して気持ちよく眼を覚ます。

目覚めぎわに美しい夢を見た。

海辺のリゾートみたいな企業の宿泊施設で研修を受けている。
数十人の若い社員と一緒に、海や芝生の庭を見下ろしながら、空高く浮遊しながら、若い女性インストラクターの話を聴く。
インストラクターは何か壮大なプロジェクトについて話している。
人間の意識と科学技術がとても進歩したので、今や直接的に人間を幸せにできる事業が可能になったといったような話だ。

「大切なのはお互いを認め合うこと。相手に対してポジティブな気持を持てば、不可能な古都なんてないのよ」と彼女は言う。

ぼくらはまだ未熟らしく、彼女に励まされて何かアイデアを出すのだが、そのたびに自分たちの不安が露呈してしまい、浮遊している身体が大きく揺らぐ。

見るとぼくらは数十人どころか無数にいて、巨大な球面を構成する原子のように、等間隔で並んでいる。

「幼稚な嘘は通用しないのよ。だって科学はこんなに進歩したんだから。私たちだってものすごく進化したのよ。そのことを素直に認めれば、なんだってできるわ」とインストラクターが言う。

「私が飛行機になって空を飛びたいと思ったらできますか?」とぼくの横で受講生の女の子が言う。
「飛行機になる必要なんかないわ。私たちみんながすでに飛行機なのよ」とインストラクターが愉快そうに言う。「たとえば私にはセイシェルズ諸島にとても愛しているフィアンセがいるけど、彼と今愛し合いたいと思えば、ここであなたたちのセッションを指導しながら、彼とひとつになれるのよ」

「どうやって?」と誰かがきく。

「だからあなたたちはお子様なのよ。あなたたちは人類がどれだけ進化したか知らないの」とインストラクターが言うと、ぼくらが原子として構成する球体がゆらぎ、動き出す。それは彼女を先端とするジェット機のようなものになり、なめらかに上昇を始める。

気がつくとぼくらは日本の上空にいながら、セイシェルズの澄んだ大気に浮かんでいて、はるか下には広大な海に浮かぶ島々が見える。

「見て。私たちを祝福して」というインストラクターの声が聞こえるが、彼女の姿はすでに天空の光になっている。

夢の余韻にひたりながら、朝の散歩に出る。
世界に向かって自分が開かれていることを感じながら、ホテルの隣の開化天皇陵を眺め、ホテル前の参道を猿沢池まで歩く。

サギだかコウノトリだか、足の細い鳥が一羽、水面に突き出た岩の上で静かに休んでいた。

あの美しい夢は一体なんなのだろう?

もしかしたら聖徳太子として伝えられる人物あるいは一族が、飛鳥時代に大和で伝えようとしたこと、試みたことは、夢の中でインストラクターが説いたようなことだったのではないか。

相手を認めること、すべてを肯定すること、世界に対して自分を開くこと。
そうすれば人間はすばらしいことができる。
不幸の種は自分の内にひきこもり、自分を痛めつけてしまうネガティブさの中にあるのだ。


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