イージーライターのつぶやき

ちょっとマニアックな職業ライター兼アマチュア小説家が、作品と日常生活のつぶやきを紹介します。

戦国歴史紀行2009

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博物館の外でシューズをバイク用にはきかえ、長距離走行モードで出発。

目的地は雑賀孫市(孫一)が住んだという雑賀城址や、雑賀浦・和歌浦など。

5キロほど幹線道路を南下したら、もう雑賀浦入り口みたいな表示が出た。
雑賀城址は通り過ぎてしまったらしい。

詳しい地図もないので、とりあえずパス。

午前中に雑賀浦・和歌浦の海岸線を走り、
午後は紀三井寺あたりから北上して、
大阪府との県境近くの山にある根来寺まで行きたいので、
あまりぐずぐずはしていられない。

博物館の学芸員の話では、雑賀城に孫市が住んだという史実は確認できないという。

もともと雑賀というのは今の和歌山市一帯のことを言うらしいのだが、
孫市の鈴木一族は雑賀城址がある南部ではなく、
紀ノ川の北側を本拠としていたとのこと。

「そもそも孫市の名前は信長と戦った後の和睦契約書みたいなものに出てくるくらいで、
詳しいことはよくわからないんですよ」と学芸員の方は言っていた。

司馬遼太郎の小説では、孫市は代々雑賀の中核をなす部族の領主で、
海を見下ろす山の上にある雑賀城に住んでいて、
あるときは信長に、あるときは本願寺に金でやとわれ、
数百から数千の鉄砲隊を率いていろんな戦いに参戦して大活躍し、
最後は数万の軍勢を率いて攻めてきた信長軍を縦横無尽の機略で苦しめ、
和睦に持ち込んだということになっているのだが、
わかっているのはそういう戦いがあったということだけで、
孫市がどういう人物で、どんな活躍をしたのかはわからないらしい。

雑賀浦に続くらしい道はかなりの急坂だった。
息を切らしながらのぼっていくと、
右手下に和歌山港と和歌山市が広がっているのが見えた。

この一帯には雑賀五搦(からみ)とよばれる、
雑賀・本郷・社家郷・中郷・南郷の5つの地域があり、
それぞれがまたいくつもの土豪勢力に分かれて協力したり対立したりしながら、
自治をおこなっていた。

宣教師ルイス・フロイスの「日本史」は、彼らのことを「富裕な農夫」と表現している。
紀ノ川流域は農作物が豊富で、農民は豊かだったらしい。

東シナ海から東南アジアで暴れた倭寇に、
九州や高知とならんでこの雑賀からも参加していたというから、
漁業や海上交易、海賊業をおこなう海の民もいたのだろう。

さらに和歌山港は水深が深く、大型船舶が入港できたので、交易でも栄えたと言われる。

特に堺商人が高い関税をかけてくる瀬戸内海の海賊を嫌い、
和歌山・高知・九州の航路で交易を行うようになると、
堺の貿易を中継する港として栄えた。

雑賀衆が数千挺の鉄砲を持つ傭兵部隊を組織できたのは、
交易による富と、製鉄業の中心地・堺との交流があったからだと思われる。

地方の部族が統一した組織を持たず、
ゆるやかに連携しながら自治をおこない、
当時の先進兵器だった鉄砲をいち早く大量に持ち、
畿内各地で暴れ回ることができたところに、
戦国時代の面白さ、痛快さがある。

ぼくが江戸時代より戦国時代に惹かれるのは、
そういう自由さ、痛快さが感じられるからなのだろう。

お互い過剰に気を使いながらおとなしく生きることを強いられる日本の社会で、
そうした自由な人々の物語はほとんどおとぎ話のように感じられる。

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ホテルをチェックアウトして、自転車で出発。
まず和歌山市立博物館に寄ることにした。

和歌山市はあちこちに川や運河が走っている。

江戸にしろ大阪にしろ、昔の流通は船が主体だったから、
どこの都市も川や運河があるのは当たり前なのだろう。

運河を埋め立てたり上に高速道路を通して、
景観を台無しにしてしまった東京のような都市方がむしろ異常なのかもしれない。

博物館にはたいした展示はなかったが、
戦国時代に鉄砲隊を組織して各地に出稼ぎに行った雑賀衆について、
学芸員の方から興味深い話を聞くことができた。

中でも面白かったのは、鉄砲伝来が、
ポルトガル人が種子島に伝え、そこから根来寺に持ち込まれたことに始まるとはかぎらないという話だ。

それ以前からいろんなルートで九州など西日本各地に鉄砲が伝えられ、
鉄砲の複製、量産、普及へと進んでいったとのこと。

ポルトガル人→種子島→紀州・根来寺の伝来が有名になったのは、
江戸時代に種子島の領主が一族の事績顕彰のために「鉄砲記」という本を書き、
それが知られるようになったかららしい。

ほかの伝来ルートによる鉄砲は倭寇によるもので、
西洋人から伝わった鉄砲をアジアで複製したものだったため、
粗悪品が多く、扱いも難しかったという。

種子島ルートの鉄砲が有名になったのは、
西洋人によるオリジナルで、性能が良かったからというのもあるかもしれない。

また、種子島から鉄砲を持ち帰って複製に成功したとされる津田監物は、
根来寺の僧兵で鉄砲隊を組織し、足利将軍家や三好党、織田信長などに雇われて活躍した。

その活躍が華々しかったこと、
津田・根来流の砲術が、完成度の高い鉄砲活用技術として全国に広まったことなども、
種子島=鉄砲のイメージ定着に一役買ったのかもしれない。

博物館は撮影禁止なので、写真は1枚もないのだが、
長々と専門家に話を聞くことができて、なかなか充実した見学だった。

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朝、すっきりと目覚め、コンビニに朝食を買いに行こうとロビーに降りたら、
昨日のおねえさんに「朝食、どうぞ」と言われた。

なんと1泊4800円で朝食付きなのだ。

ロールパン2個とコーヒー、牛乳一瓶という簡素な朝食だが、
旅先で夜にたらふく飲み食いした翌朝は、これで十分。

よく見ると、食堂にはLAN接続できる設備もある。

部屋でネットは使えないが、ほかに客はほとんどいないようなので、
(朝食をとっているあいだに、作業服を着た男性が一人出ていっただけ。仕事で長期滞在しているらしい)
夜ここでわりと自由にネット接続できるのだろう。

ソープランド街にある古いビジネスホテルも、
値段とサービス、設備などいろんな面で努力しているわけだ。

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日が暮れかかってきたので、通りかかった和食店で早めの夕食。

刺身盛り合わせ、ごぼうの天ぷら、はまぐりの酒蒸し、塩焼きそば、
生ビール一杯、酒一合、焼酎一杯で5000円ちょっと。

うまい。

ごぼうの天ぷらは太めに切ってきんぴら風に煮てから揚げたのだという。
ごぼう本来のうま味がさらに濃くなってものすごくうまい。

刺身は本ヨコワ(本マグロの子供)、グレ(メジナのことで、身はちょっと黒鯛に似ている)、かんぱち、サーモン、ホタルイカ、たこ。

マグロをヨコワと呼ぶのは初めて知ったが、
こういう名前をメニューで見るだけで、
なんだかやたらと黒潮に近いところに来た感じがするから不思議だ。

カウンターの若い主人、馴染み客らしいおじさんとあれこれ話し、
雑賀衆と鉄砲のこと、明日訪ねる予定の根来寺のことなどについて情報収集した。

旅先で飲み屋に入るメリットは、
おいしいものに出会える以外に、
こういう情報収集ができるところにもある。

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夕暮れが近いので、自転車散歩はあきらめて、歩きの散歩に出かけた。

歩きだと、ソープランド街の客引きさんたちが声をかけてくる。
しかし、東京あたりとちがい、客引きさんたちの表情はにこやかでほのぼのしている。
それでも客はひとりもいない。
というより、この通りにほとんど人影がない。

それにしてもグリーンホテルの経営者は、
どうしてこんなところにビジネスホテルを作る気になったんだろうと、
あらためて首をかしげてしまう。

アーケード街もやはり閑散としている。
シャッターが閉まっている店もちらほら。

アーケード街からはずれて周辺もうろついてみたが、
平日の夕方にしてはどう考えても人通り、車の交通量が少ない。

このあたりは南海本線の和歌山市駅とJRの和歌山駅から数キロずつ離れた中間地点なのだが、
繁華街は駅周辺にあるのだろうか?

和歌山市駅周辺はたしかにちょっとにぎやかだったが、
格別店舗やビルが密集しているようにも見えなかった。

東京から地方へ行くと、どこものんびりしているように感じるのだが、
これはいいことなのかどうか……。

こちらとしては気持がほぐれてほっとするのだが、
それは地域格差の拡大による地方経済の地盤沈下でもあるのだ。
シャッターを下ろした店の前に出くわすたびに、
ちょっと暗澹とした気持になる。


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