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ルイス・エンリケのねじ切り器開発は、様々な試行錯誤の末になんとか完成した。開発に携わる職人たちはどんどんふくれあがり、やがて堺中とその周辺のあらゆる工房が参加した。さらに、鉄砲鍛冶や鋳物師だけでなく、木地師や陶磁器の職人まで加わり、知恵を出し合った。鉄加工職人たちは鉄砲鍛冶も鋳物師も、器具を回転させて材料を切削するという加工法に疎かったのだが、木地師や陶磁器職人たちはその手の加工に精通していたからだ。 |
小説「ワイルドボーイズ」
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マラッカから戻った私は、畿内の不穏な動きの中で、鉄砲の製作を再開した。正確に言うと、復帰したというべきかもしれない。我々の留守中も堺と根来で鉄砲の製作と開発は続けられていたからだ。 |
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久しぶりに戻った堺は何やらざわついていた。 |
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それからまもなく我々は堺へ向けて出発した。 |
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「ええか、助五郎、世界は丸いんや」と了珪は呑み込みの悪い子供に学問を教える僧侶のような口調で私に説明しようとした。「ヨーロッパから海を越えて西へ進めばインディアスに着く。インディアスから海を越えてさらに西へ進めばマラッカに着く。この男はインディアスから逆に東へ東へと進んでここまで来たわけや」 |



