イージーライターのつぶやき

ちょっとマニアックな職業ライター兼アマチュア小説家が、作品と日常生活のつぶやきを紹介します。

粘膜で触れる世界

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アブノーマルな文学的感性によるエッセー・社会評論
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赤い太鼓橋のたもとに楠(くすのき)らしい大木があった。

幹から枝にかけてびっしり羊歯のような苔のようなものに覆われていて、
ぱっと見は生理的にかなり不気味なのだが、
しばらく眺めていると、枝のうねりが竜みたいに見えてくる。

まあ、実物の動く竜を見たことがあるわけではないのだが、
子供の頃から絵やお寺の彫刻なんかで見てきた竜の、
ウロコがビッシリ並んだ胴体を思わせるということだ。

そういえば神戸の湊川神社とか、
西日本の大きな神社とその周辺には楠がたくさん植えられているのだが、
これには何か理由があるのだろうか?

そういえば湊川の合戦で死んだ楠木正成も無念の死を遂げて神に祀られた人だった。

歳をとると、若い頃は気にも止めなかった色々なことがやけに気になる。

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天満宮の敷地には、小さな博物館があって、
太宰府と道真と天満宮の歴史を解説したビデオが上映されているほか、
道真の書や愛用品と伝えられる品々、
その他天満宮に伝わる刀などが展示されている。

その中に坂本龍馬の拳銃の複製があった。
三条実美ほか、幕末の動乱で都を追われた討幕派の貴族たちが太宰府に落ち延びてきて、
天満宮にかくまわれていたので、
高杉晋作、坂本龍馬ら勤王の志士たちも多くここを訪れたのだという。

そういえば龍馬も無念の死を遂げた人だが、
吉田松陰のように神社に祀られることはなかった。

日本初の貿易会社をつくったり、やること考えることが新しすぎて、
神社のような形式には馴染まなかったからだろうか。
それとも松蔭のように、弟子や孫弟子たちが明治政府を牛耳る権力者にならなかったからだろうか。

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天神様のシンボルといえば梅と牛だ。

東京の湯島天神の境内にも有名な梅林があるが、
この総本社にもあちこちに梅の木が植えられている。

そもそもは、菅原道真が梅好きで、
京都から太宰府に流されるとき、自宅の梅の木の前で、

東風吹かば にほひおこせよ 梅の花
あるじなしとて 春な忘れそ

という歌を詠んだら、
その梅が空を飛んで、道真より先に太宰府に来ていたという物語があって、
そこから天神社に梅は欠かせないものになったという。

今も神殿の右手には飛び梅というのが植えられている。
どう見ても千年たっているようには見えないから、
何代目かなのだろう。

今でも天満宮、天神社の紋は梅鉢という、梅の花をかたどったマークだ。

牛については、道真が死んで、牛舎で遺骸を運んでいるとき、
この場所で牛が動かなくなったので、
ここに葬り、のちに神社が建てられたと伝えられている。

ただ、裏日本史の世界では、
もともと菅原道真は中国東北部、契丹から日本に渡ってきた移民集団の出身で、
その民族のシンボルが梅に牛だと言われている。

契丹のシンボルが本当に梅と牛なのかは調べようがないのだが、
もし、天神社の起源が道真個人ではなく、
その背景にある部族・民族から出ているのだとすると、
全国チェーンができた理由もより納得できる気はする。

蘇我氏や藤原氏のような飛鳥時代に朝鮮半島から来た部族とちがい、
平安時代初期に渡来した新興勢力が日本で生きていくには、
朝廷に代表を送って出世させる必要があっただろうし、
旧勢力との軋轢も生じただろう。

藤原氏の陰謀による道真の左遷は、
そうしたスケールの大きな移民活動、民族闘争を象徴する物語だったのかもしれない。
そう考えると、道真の左遷と無念の死という個人的な事件が、
神社の全国チェーンの起源になるという、
あまりしっくりこない関係が、もうすこし納得できるものになるような気もする。

念願の太宰府探訪2

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天満宮の境内には、東京の神社とはどこか違う空気が流れていた。
信仰の執念のようなものかもしれない。
祈願する者と、それを受け入れる神社側の距離が近いのだ。

学問の神様に何をそれほど強く祈願するのかわからないが、
商売・仕事・金銭的な成功みたいに生臭い欲望からくる祈願とはちがうし、
病気の治癒みたいに切実な祈願ともちがう、
どこかあかるくすがすがしい祈りがそこにある。

今ここにいる参詣客の多くは観光客だろうから、
そういう空気とは無関係なのだが、
そばでお祓いを受けている人たちと神官が醸し出す空気や、
明るい神殿から流れてくる空気に、
どこか透明感があるのだ。

そう感じさせる理由のひとつは、神殿内部が華やかに飾られていて、
神体の象徴である鏡がすごく近くに置かれていることかもしれない。

神社の神殿には極端に簡素だったり、
扉を閉ざしていたりして、
参詣者と距離を置こうとしている感じのところが多いのだが、
この天満宮は、全国チェーンの総本社でありながら、
そのへんがオープンかつフランクだ。

これはぼくが九州全般に感じる特徴と似ている。

東京や京都のような中央意識、
権力が権威を保つために民衆と距離を置く意識とはちがうシステムがあるのだ。

念願の太宰府探訪1

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福岡取材のスケジュールに余裕があったので、
以前から一度行ってみたいと思っていた太宰府に行ってみた。

大和朝廷の初期から、九州の拠点があった場所だ。
当時の外国といえば朝鮮半島の諸国と中国だったし、
どちらかといえばむこうの方が先進国だったから、
北九州は先進国に向かって開かれた玄関口だった。

しかし、今は太宰府といえば天満宮。
平安時代に菅原道真が藤原氏の陰謀で京都から左遷され、
不遇のうちにここでなくなり、
その霊を慰めるために朝廷が建てた神社だ。

道真の霊は天に昇って京都に様々な災いをもたらしたという。
たまたま起こった異常気象や落雷、凶作を、
道真の祟りだと勝手に解釈しただけなのだろうが、
昔の人はそういうことに神経過敏だった。

だから、自分の心にやましいことがあると、
自分たちに恨みを抱いて死んだ人の祟りを恐れて神として祀り、鎮魂しようとした。

東京・世田谷の松陰神社もそうだが、
この太宰府天満宮は無念の死を遂げた偉人を神として祀った神社としては、
日本最大規模だろう。

この太宰府を本社として、
京都には北野天満宮があるし、
東京には湯島天神がある。

たしか全国各地にある天神様はすべてこの道真を神として祀る神社だ。
八幡神社や稲荷神社、熊野神社など、
全国にチェーン展開している神社はいくつもあるが、
一体どうやって全国展開できたのだろう?

ひとつ考えられるのは、
総本社のある土地から開拓民として地方へ散っていった人たちが、
各地で神社を建て、その部族や開拓された土地の隆盛によって、
その土地に根付いたというケースだ。

海洋民族の神を祀った恵比寿神社や住吉神社、三島神社などがその例だと言われる。
八幡神社や白山神社などは、大陸から渡ってきた騎馬民族系の神社だという説がある。

信仰心が神社チェーンを形成するパターンもある。
熊野神社は平安時代から鎌倉時代にかけて、
朝廷・貴族の信仰が厚く、
熊野詣でが盛んになり、
それが庶民にも広がって、
信徒から基金を集めて、各地に熊野神社を建てていったと言われている。

浅間神社は富士山を頂点として、高い山を信仰する古い山岳信仰が生んだ神社だという。

しかし、天神信仰はそうしたパターンとかなり違う。
菅原道真という個人の怨霊を鎮めるための神社が、
どうして全国チェーンになったのか、
考えるとかなり不思議だ。

天才だった道真を学問の神様として信仰する風習が広まったというのが一般的な説だが、
昔から学問を志す人たちがそんなにたくさんいたとも思えない。
受験生がこんなにたくさんいるようになったのは、ここ100年くらいの話だからだ。

歴史を読んでいると、
たとえば平将門みたいに朝廷に反乱を起こした勢力が、
道真の子孫を招いてみたり、天神社を建ててみたりといったことをやっている。
少なくとも一時期、天神様は反朝廷派が掲げる権威の象徴のようなものになったのかもしれない。

福岡から太宰府へは、西鉄福岡(天神駅)から二日市乗り換えて二駅目。
太宰府が終点だから、この支線は太宰府天満宮参詣のために敷かれた線なのだ。

そもそも福岡市内に天神という地名があるくらいだから、
天神様というのは、福岡・博多の人たちにとって大きな存在なのだろう。

平日の昼間なので、西鉄太宰府駅から天満宮へ続く参道は閑散としていた。
それでも、鳥居をくぐって境内に入ると、そこそこ観光客がいる。
ガイドブックを持った外国人が多い。

一見日本人かと見えた集団も、
すれ違いざまに中国語や韓国語らしい言葉が聞こえてきて、
アジア系の外国人だとわかる。


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