イージーライターのつぶやき

ちょっとマニアックな職業ライター兼アマチュア小説家が、作品と日常生活のつぶやきを紹介します。

粘膜で触れる世界

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アブノーマルな文学的感性によるエッセー・社会評論
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ゆうべ、小石川後楽園の日本料理屋で開かれた、
知り合いの還暦祝いのパーティーに出席した。

飯田橋〜水道橋周辺の殺風景なビル街のウラに、
水戸黄門/徳川光圀が造った水戸藩江戸屋敷の、
美しい緑が広がっている。

還暦を迎えた知り合いはかつての学生運動/ベトナム反戦運動の闘士だ。

その後、自分で小さな出版社を作り、
社会の不合理を告発する本を一貫して出版してきた。

環境問題から政治的な問題まで、本のテーマは多岐にわたる。

ベストセラーになることはない本ばかりだが、
社会に様々な疑問を持つ人たちに根強い支持層が存在する。

根底にあるのは曲がったことを放っておけない愚直な正義感だ。

今、環境汚染が地球規模で広がり、
その影響が人体にまで及んでいるのを見ても、
こうした愚直な告発者の存在は有意義だと思う。

アメリカ帝国がアジア・ヨーロッパに軍事拠点を持ち続け、
帝国の論理にはむかう国々を武力制圧しつづけているのを見ても、
まだベトナム戦争は場所を変えて続いていることがわかる。

ぼくはどちらかというとかつての学生運動の共産主義・社会主義思想に
違和感を持ち続けてきた人間だが、
それでも今の人類が抱えている問題の多くが、
学生運動出身者たちの努力なしには明るみに出なかったということを知っている。

パーティーに集まった人たちの多くは、
たぶん知り合いと同世代に属する小規模出版社の人たちだ。

彼らの顔には正しいと信じたことをやり続けてきた人間の幸福感が見える。
金を稼ぐためにいろんな問題から目をそむけ、
不安をごまかし、そのストレスと戦いながら生きている人たちにはない幸福が、
彼らにはあるのだ。

このところいじめによる小学生・中高校生の自殺があいついでいる。自殺の報道を見て連鎖反応が起きているのだ。

マスコミは学校の怠慢を告発する。子供を失った親が弔問に訪れた教師、校長を罵倒するシーン、カメラに向かって怒りをぶちまけるシーンが繰り返しテレビに流れた。テレビでコメントする誰もがいじめられている子供に同情している。

しかし、ぼくが思い浮かべるのは永井豪の漫画「デビルマン」の終盤のストーリーだ。悪魔たちが次々と人間に入り込み、人間もろとも死んでしまう。道を歩いている若者が突然「クエエッ」と奇声を発したかと思うと、角の生えた化け物に姿を変え、もだえながら死んでしまうのだ。

子供たちの心の中で起きているのは集合的な自殺衝動の噴出なのだ。人間にはもともと自殺衝動がある。無力な動物である人間が、組織や道具を作って自然環境に立ち向かい、動物を圧倒するようになったとき、つまり意識を獲得したときから不安や恐れは生まれたのであり、それは絶えず潜在的な死への欲動、自殺衝動となって内側から人間をおびやかしている。

閉ざされた世界に押し込められた人間は、死への欲動のうごめく集合的な意識を形成する。それは「こっくりさん」の重ねられた手のように、まるでそこに個々の人間とは別の意志が存在するかのように動く。

集合的な自殺衝動は、ひとりにターゲットを絞り、その選ばれた人間を死へと追いつめる。
ターゲットには、そのコミュニティーに順応できないやつ、順応しないくせにコミュニティーに入りたくて周辺でおどおどしているやつが選ばれる。そういうやつはコミュニティーの構成メンバーをイライラさせる。そのイライラが憎悪のエネルギーになるのだ。

なぜイライラするのかというと、彼らも実はコミュニティーに順応する、あるいは順応しているふりをするのに精一杯で、実は不安に駆られているからだ。誰もが隠している不安を露呈してしまう弱虫は憎しみの対象になる。つまりいじめているやつらといじめられているやつとは本質的には同質なのだ。

いじめているやつらに「いじめをやめなさい」と語りかけ、いじめられているやつに、「きみは独りじゃない」と呼びかける文部大臣や文化人・タレントを見ると、こいつらはわかってないなあと思う。
もともと「独りじゃない」ところに問題があるのだ。いじめは集団によって生まれるひとつの演劇であって、いじめる/いじめられるという行為はその役割分担に過ぎないのだ。

この自然発生的な演劇を衰退させるには、その集団のストレスを軽減させるしかない。大人たちが警察のように監視し、取り締まっても、ストレスはさらに内向し、圧力を高め、別の場所に噴出するだろう。

大人たちが欺瞞に満ちた社会を運営しているかぎり、子供たちを説得することは難しい。大人たちも膨大な人数の手を重ねた「こっくりさん」をやっているのだ。誰の意志ともつかない力によって、社会が妙な方向へ転がっているのは誰もが感じているが、社会はあまりに複雑で、どうすることもできずに途方に暮れている。そのことを子供たちは感じ取っている。子供は大人が考える以上に大人の欺瞞や矛盾に敏感だ。

アメリカ軍に占領されたまま、「日本はアメリカに守ってもらっている」という馬鹿げた嘘で自分をだまし、「国際化」という号令の下でアメリカ型の資本主義システムを受け入れ、おかげで社会格差は広がり、メガバンクは長く続いたゼロ金利政策によって、タダで商品(お金)を仕入れてぼろ儲けをし、中小企業は貸し剥がしで倒産に追い込まれ、経営者はどんどん自殺していくといったことがまかり通っているこの国で、子供だけ正しく生きろというのは無茶だ。

子供はこの社会システムが正しくないこと、楽しくないことを見抜いている。それでも負け犬にならないためにつまらない受験勉強をしなければならないという矛盾を内に抱え込んでいる。つまらないゲームを勝ち抜いて勝者になれるのはごく一部であり、大多数がすでに自分は負け犬への道を転げ落ちていると感じている。

深刻なストレスは自分の内側に矛盾を生じさせたときに生まれる。その圧力は、何かで無理矢理ガス抜きしなければ自分を押しつぶしてしまう。だからいじめる側も自分の死と戦っているのだ。

大人の社会の愚劣さと自分たちの愚劣なゲームの仕組みを理解すれば、子供たちは少しはストレスから解放されるだろうか?

難しいことだが、やってみる価値はある。教師たちはいじめをやめろと語りかける前に、子供たちの前で大人の社会の欺瞞を自己批判してみたらどうだろう? 大人の欺瞞に敏感な子供たちにとっては、それだけでも案外多少のガス抜きになるかもしれない。

千鳥ヶ淵のおでぶさん

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10月3日(火)、九段で取材があったので、少し早めに行って九段下から靖国通りをぶらついた。
このあたりはお堀端に突然、明治時代のでかい銅像が建っていたりして、散歩してみるとけっこうおもしろい。

早速、海軍大臣・大山巌が海軍なのになぜか馬に乗っている銅像を発見。
でぶでおちゃめな感じが好印象だ。

たしか薩摩藩出身で、日清だったか日露だったか、明治の日本が大きな賭に出た戦争で海軍大臣を務めたはずだ。

海軍の大臣や司令官はなぜか薩摩閥が占めている。たぶん陸軍を長州閥が固めていたので、対抗上そうなったのだろう。

薩摩系のえらい人は、みんなでぶでぼおーっとした感じの人が多くて、この大山巌もそのひとりだが、これでも若い頃は西郷従道(つぐみち:西郷隆盛の弟で、やはり海軍大臣を務めた)の補佐官として仕え、機敏で頭の切れる人だったらしい。

その西郷従道も、隆盛に仕えていた頃はフットワークの軽い人だったという。

薩摩系の組織では、トップに立つとでぶで鷹揚な親分タイプになるらしい。たぷんトップというのは細かいことを気にせず、下に任せた方がうまくいくということなのだろう。

西郷隆盛は明治政府が発足して10年たたない頃に、政府のトップだったにもかかわらず、突然辞任して薩摩に帰ってしまい、西南の役に担ぎ出されて死んでしまう。

反逆罪に問われてもしかたないのだが、なぜか死後は政府から神のように扱われて、上野に銅像まで建てられてしまった。隆盛の弟の従道や子分たちも、何事もなかったかのように政府の要職を務めた。

そもそも西郷が下野した原因は、朝鮮を侵略すべきだという「征韓論」を唱えて、受け入れられなかったことにあるということになっているのだが、どうもその後の明治政府の動きを見ていると、首をかしげたくなる。

「征韓論」に反対したはずの人たちが朝鮮侵略を主導していくのだ。その後日本は朝鮮、台湾を植民地化し、日清戦争で中国本土にも領土を広げていく。

明治維新の際、江戸幕府の代表を務めた勝海舟は、西郷の死後、日清戦争の後まで生きたのだが、この日本のアジア侵略を厳しく批判した。

勝と西郷は幕府と薩長という立場を超えて、欧米列強の日本侵略を阻止するため、内乱を避けながら近代国家への移行をめざすべきだという共通の認識があった。

当時、19世紀半ばには、ヨーロッパ各国が清の弱体化につけこんで中国侵略を開始していたし、王国だったハワイはアメリカに乗っ取られていたから、彼らの判断は正しかったのだ。

さらに、彼らは欧米に対抗するためには、アジア各国の融和と連携が不可欠だと考えていた。
日清戦争や朝鮮・台湾の植民地化は、まさにそれに逆行する行動であり、勝海舟には許せなかったのだろう。

以後、日本はアジア各国と融和するのではなく、武力でアジアの支配者になることをめざし、中国侵略の泥沼へ足を踏み入れていく。

欧米に対抗するために、アジアと仲良くするのではなく、欧米列強の真似をしてアジアを植民地支配しようとしたのだ。

太平洋戦争の初期には東南アジアから欧米を追い払ったものの、組織的な植民地支配もできず、解放者にもなれないまま、無謀な戦争にあっというまに敗れてしまった。

この大日本帝国が残したツケはいまでも日本を呪縛している。
経済大国として欧米の先進国の仲間入りを果たしたものの、はたしてアジアの仲間なのか、それともアジアの裏切り者なのかはあいまいなままだ。

アジア各国も、アジアの融和・連携といったビジョンはこれといってないまま、それぞれが欧米の方を向き、欧米が用意した経済ルールによるゲームにのめり込んでいる。欧米の植民地戦略はかたちを変えて続いているのだ。

北朝鮮リセット妄想

このあいだ横田めぐみさんの夫と娘の会見をテレビで見ていたとき、
腹を立てた友人が「こいつらほんと腹たつよな。北朝鮮って国をミサイル攻撃して、そっくりなくしちゃえないないかな」と言っていた。

いやなものをなかったことにしちゃおうという発想は、このところ連続している少年少女による親・家族の殺害・放火に通じるものがある。ぼくはこれを「リセット妄想」と呼んでいる。甘やかされて育ったガキの妄想だ。

ゆうべ「報道ステーション」でみのもんたが、「日本は米軍に日本を守ってもらってる見返りに、莫大な思いやり予算を払ってるんだから、北朝鮮がミサイルを発射したら、日本が頼めば米軍がどどっと空母をくりだしてくれるのかと思ったら、何もしてくれないんだもん」みたいなことを言っていた。

当人の本音なのか、彼のファン層である世間知らずのおばさんたちの意見を代弁してるだけなのかはわからないが、これも甘やかされて現実を見ない人たちの妄想だ。

日本は米軍に占領されているのであって、守ってもらっているというのは日米政府が日本の国民を納得させるためについている嘘・方便でしかない。

米軍の目的はかつて太平洋戦争で欧米をアジアから駆逐した日本が、二度と軍国主義化しないように牽制することと、仮想敵国である中国・ロシアに対する防衛拠点をアジアに確保することだ。米軍が守っているのは遠く離れたアメリカ本土であって、日本や韓国ではない。

だから、アメリカは拉致問題について人道的立場から北朝鮮を非難はするが、日本や韓国のために軍事行動まで起こすことはありえない。

ミサイル発射事件も同じだ。アメリカもロシアも中国も、北朝鮮が本気で大国に戦争を仕掛けてこないことを見切っている。ミサイル発射は六カ国協議参加国に対するメッセージであったり、重要な輸出品であるミサイルの顧客へのアピール、あるいは商品開発のための実験ではあっても、軍事行動ではない。

そもそも北朝鮮はアメリカにとっても、中国・ロシアにとってもやっかいな国ではあるが、日本人が考えているほど邪魔な国ではない。北朝鮮という緩衝地帯があるから、米と中・露は直接軍事境界線を接しなくてすむという利点もある。だから南北朝鮮統一は朝鮮民族の悲願ではあっても、周辺の大国にとってあまり望ましいことではないのだ。

もちろん北朝鮮によって日本が威嚇されたり、拉致などの被害にあっていることなど、周辺国にとってはたいしたことではない。アジア諸国にとって日本はかつてアジアを植民地化したファシズム国家であり、アメリカに占領されたり、中国や韓国と領海問題でもめたり、北朝鮮のいやがらせを受けていることは、危険な日本という国を封じ込めておくために必要なけん制であるという認識が彼らの意識の奥にはある。

そういう世界の現実から目をそらして、きらいなものをリセットする妄想とたわむれているかぎり、日本の独立も、まともな外交もありえない。

自殺動物鑑賞の楽しみ

新作小説のメモから


伊佐木くんはクリーブランドを本拠地とする違法プロバイダと契約して、自殺衝動に免疫のないガキどもをまったく合法的に自殺に追い込むのが最近の楽しみだ。
ガキどもといっても下は六歳から、上は三十七歳までいるが。

「まあ年齢に関係なくやつらはどうしようもない甘ったれのガキですけどね。自分の中に自殺衝動があることすら知らないで、『これってなんなんだろう? ねえ、だれか知らない?』と赤の他人に泣きついてくるんですから。やつらの衝動をちょっとかきたててやれば、すぐにぼくのことをご主人様と呼んで崇拝するようになります。ガキは自分を特別な存在だと思いこんでますから、やつらの知らないこと、怖くてしかたないことについてちょっと教えてやったりおどしてやったりすると、簡単に神様にも教祖様にもご主人様にもなれるんです。」

伊佐木くんは信徒たちに写真を送らせ、(メールで。もちろん全裸の)、見栄えのするやつは犬として飼い、見栄えのわるい奴は駒沢公園の山桃や金木犀の枝で自殺させる。
命令する必要はない。
もともと自殺衝動に突き動かされているので、時間と場所を指定してやれば、やつらはすべてを放りだしてやってくる。
伊佐木くんの楽しみはやつらがびくつきながら首を吊り、苦しみもだえながら死んでいくのを眺めることだ。

「もちろんためらいますよ。でも結局みんなやりますね。今まで逃げ出した奴はいません。逃げだそうとするやつには、フンて鼻で笑ってやればいいんです。あの馬鹿どもにとってぼくに軽蔑されることは死より恐ろしいことですから。恐怖と葛藤しながら死んでいくあいつらの表情がぼくは一番好きですね」

飼い主たちの弱さを暴くこと。

豊崎は糸杉の森でぼくに犬がうんこをするところを見せてくれた。
犬は顔を真っ赤にしてためらい、泣きながら排便。
四つん這いのまま腰を落として。

豊崎は数人の犬の乳首を切り落としている。
しつけのためですよ。しつけ。

警官たちの弱さも暴くこと。
彼らの拷問衝動とタブーの葛藤。


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