イージーライターのつぶやき

ちょっとマニアックな職業ライター兼アマチュア小説家が、作品と日常生活のつぶやきを紹介します。

あぶない芸術鑑賞

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美術や映画など芸術関連のエッセーです
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プーシキン美術館展

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12月9日(金)

銀座一丁目から飯田橋に移動して来週の取材について打ち合わせ。
疲れているが、このまま帰って原稿を書く気になれず、上野の東京都美術館でやっている「プーシキン美術館展」を見に行く。

平日の夕方だというのにかなり混雑していた。たくさんあるロッカーはほとんど埋まっていて、ひとつだけあいていた大型ロッカーに荷物とコートを入れる。

仕事を引退した老人、専業主婦らしい中高年夫人、学生なのか仕事が休みらしい若者たちなど老若男女が群れをなして、フランス印象派と20世紀前半のフランス絵画を凝視している。熱心にメモをとる人たちもいる。

この熱心さはどこからくるのだろう?
知的好奇心こそ日本の国力の源泉なのかもしれないが、見ていてあまりいい気持ちがしないのはなぜだろう?
彼らが何かを摂取することにしか興味がないように見えるからだろうか?
勤勉に知識・情報を仕入れて、そのあとには一体何が待っているのだろう?
実用的でないからこそ文化なのだろうが、受け身で獲得することがどうしてそんなに楽しいのだろう?
もちろん受け身で終わらない人もいるだろう。家に帰ってキャンバスに創造のエネルギーをぶつける人もいるかもしれない。
受け身で終わらず、エネルギーを何かに爆発させる人がたくさんいてくれることを願う。

ぼくはと言えば、衰弱し枯渇しかけているエネルギーを、マチスの「金魚」によって充填することができた。この自由な生命の奔出。マチスを好きになったのはここ数年のことだ。以前はピカソに比べてコンセプトのはっきりしない画家という印象しかなかったのだが、「ダンス」を見て以来、考えが変わった。そこにはルールに縛られノイローゼになった現代人を解き放つ提案がある。

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飲食物コーナーの西瓜の記事でふれたフリーダ・カーロの西瓜を紹介しておこう。

画集の小さな写真では、現物の迫力はないが、
それでもヨーロッパの画家たちの静物画とのちがいはわかる。

フリーダ・カーロはメキシコの女流画家だ。
10代で路面電車の事故に遭い、背骨の損傷で下半身不随になった。
メキシコの大物画家ディエゴ・リベラを前妻から奪って結婚したが、
夫の浮気に悩まされて離婚。
浮気相手にはフリーダの妹までいた。
障害のために子供を流産するという不幸もあった。

それでも生涯リベラを愛し続け、革命の理想を共有し続けた。
彼女が生きた20世紀前半のメキシコは革命と芸術の国だった。

フリーダはそこなわれた自分の肉体と魂とメキシコと人類の理想を描き続けた。
作品は高く評価され、フランスではシュールレアリスムの画家たちと交流した。

彼女の絵には異物に貫かれ、引き裂かれ、血みどろになった自分がよく描かれた。
それはメキシコであり、人類でもあった。

宝塚アート

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宝塚は手塚治虫の出身地でもあるらしい。
つぶれた宝塚ファミリーランドの一画には手塚治虫記念館がある。

近くの宝塚大橋の欄干には彫刻がいくつも立っている。
宝塚は文化・芸術の町だということをアピールしたいらしい。

こういう人物がぴょんと跳んでいる感じの彫刻は、
パリのバスチーユやアントワープの大聖堂前の広場など、
ヨーロッパのあちこちで見かけるが、
この放漫な肉体の女性の跳躍はちょっと軽快さに欠ける。
表情は何かにおびえているようにも見える。

そりゃそうだろう。
アントワープやパリの跳躍像は地上10メートルくらいのかなり高い台座の上にあるが、
この裸婦像は手を伸ばせばさわれる位置にある。
しかも巨大な手の上だ。
彼女の顔は恐怖におびえている。
もうちょっと置き場所を考えないと……。

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最近、家の近所の電柱に
「能舞台付き高級住宅 29,800万円」
という看板がくくりつけてある。

自由が丘にはたしかに高級住宅が少なからずあるから、
3億円近くする家があっても不思議じゃないが、
問題は「能舞台付き」だ。

そこには「能舞台が付いてるんだから高級なんだ!」
「これくらい高くてあたりまえだあ!」
という主張が見え隠れしているが、
はたして能舞台というのはそれほどの付加価値だろうか?

建てた当人は能楽師で、毎日稽古に使っていたのかもしれないし、
あるいはアマチュアの能・狂言マニアで、
ひんぱんに能楽師・狂言師を招いては芸を鑑賞していたのかもしれないが、
そんな能舞台を活用できる人が世の中にどれだけいるだろうか?

小さなコンサートが開けるサロンとか、
思いきり演奏ができる防音室の方が、
よほどつぶしがきくだろう。

まあ、不動産仲介業者としては、
そういう利用価値の高い設備がなく、
特徴と言えば能舞台だけだったからしかたなく
これをアピールポイントとしただけなのだろう。

正面に松が描いてある白木の舞台を見て、
「あら、これなら、××子ちゃんのバイオリン演奏会ができるわね」とか、
「○○美ちゃんのバレエにもいいわね」とか言って、
ぽんと3億円出してくれる、
セレブなマダムを狙っているのかもしれない。

理想はもちろん能・狂言マニアが出現することだが、
そんなマニアに売れるなら、
狭い能・狂言マニア界のつながりでとっくに売っているだろう。
売れなかったから、電柱に広告を出すはめになったのだ。

谷崎潤一郎の有名なエッセー「月と狂言師」は、
秋の満月の夜に、能舞台がある京都のお屋敷で開かれた、
月見の会の様子を描いたものだが、
そこに人間国宝の狂言師一家(茂山千五郎?)も招かれ、
料理と酒を楽しみながら芸を披露するといった内容だった。
たぶん……

もしかしたら、茂山家の宴会に谷崎夫妻が招かれた
という内容だったのかもしれない。
高校時代に読んだだけだから記憶があいまいなのだ。

とにかく、こんな芸の達人たちと宴会をやったらさぞかし楽しいだろうと、
子供ながら思ったのを覚えている。

もしぼくに3億円あったら、能舞台付きの家を買うだろうか?
たぶん買わないだろう。
でも、10億あったらたぶん買うだろう。
毎年収入が3億あったら、間違いなく買うだろう。

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「猟の獲物と野菜のある静物」 アドリアーン・ファン・ユトレヒト

特にこの絵、この画家が好きというわけではないのだが、
子どもの頃から食べ物の静物画が好きだ。
特に果物の色つやが生き生きと描かれている絵が。

そこにはヨーロッパの人々の生きることへの執着が描かれている。

もうひとつ好きなのがジビエ、つまり猟の獲物の絵だ。
ついさっきまで生きていた動物が、
人間にしとめられ、ぐったりしている姿が、
なんともいえずエロティックだ。

聖人たちが裸で殺される宗教画に通じるような……。

SM雑誌の写真などくらべものにならない。


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