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沢村さんの奥さんは赤ん坊を抱えて夜中にやってくる。 |
小説「夢のミンチ」
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ぼくらは両手首を重ねて縛られ、横一線に吊されていて、白い衣装に白い帽子をかぶった板前たちの背中を見つめている。白木のカウンターのむこうには客たちが並んでいて、酒を飲みながら僕らを眺め、舌なめずりしながら「どれにしようか?」と囁きあっている。 |
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別のディスプレイでは、研究室に別の信徒ボランティア警備員が入っていくのが見える。多田社長が全裸で、白いブリーフを脚に引っ掛けたまま床に転がっていびきをかいている。そのむこうには全裸に首輪をつけた瀬谷がぼんやり沢村を見上げている。沢村は静かに電子顕微鏡の画像を解析している。 |
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ディスプレイのいくつかが多田車輪工業技術研究所の研究室、三国工場の建屋や事務棟、瀬谷の布団が敷きっぱなしになっている独身寮の室内などを映している。画面の隅には「LIVE」の表示があり、生中継であることを示している。その横に表示されている時計は、今がすでに夜中であることを示しているが、工場ではひっきりなしにプレス成形機から花火が上がり、油煙の虹が架かっている。全裸のアルバイトたちは休むことなくホイールを積んでいる。 |
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沢村さんを征服して満足したらしい社長は床にのびてしまった沢村さんを両手で押しのけるようにして立ち上がり、晴れ晴れとした顔で笑いながら、 |



