雛鶴峠からリニアモーターカーの実験線をくぐって都留市へ下る。
国道139号線にぶつかる禾生(かせい)の交差点に、
以前よく立ち寄ったおむすび屋がある。
いつも時間的には9時〜10時頃なので、中途半端ではあるのだが、
朝早起きしているから、けっこう腹がへっていて、
ついつい立ち寄ってしまう。
この店の特徴は、ごはんをぎゅっと握らずに、
具材をふわっと包む感じにしてあること。
「おにぎり」ではなく「おむすび」なのは、
手でやさしくおさえるように作っているということなのだろう。
「むすぶ」という言葉には、
手で魂を込めるみたいな意味があるという。
忍者が術を使うときに指で変なかたちを作るのも、
修験道で手と指をいろんなかたちにするのも、
「印を結ぶ」というが、
手によって精神統一して、魂の力を引き出しているわけだ。
ここのおむすび屋さんのおむすびは、
それほどおどろおどろしい結び方ではなく、
いかにも手でやさしく作った感じ。
具とごはんに圧力をかけてないので、
食べていると崩れてくるくらいやわらかい。
人によっては食べにくいというかもしれないが、
バイクライドのたびにコンビニの型で固めたおにぎりを食べているぼくにとっては、
とてもほっとする味だ。
お米ものりもなかなかいいものを使っている。
ぼくの一番のお気に入りはすじこ。
型で固めると粒がつぶれてしまうのだが、
ここの作り方だと、粒がそのまま楽しめる。
一個160〜180円とちょっと高めだが、
店内で食べられるし、
おむすび一個でもお茶を出してくれる。
窓の外は空がますますどんよりしてきて、
遠く野山は雲の中だ。
標高1250mの松姫峠は霧の中かもしれないので、
あきらめて1020mの道坂峠から道志道をめざすことにする。
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