イージーライターのつぶやき

ちょっとマニアックな職業ライター兼アマチュア小説家が、作品と日常生活のつぶやきを紹介します。

フランス紀行2002

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2002年 6月12日

石牛飼い

カルナックに戻り、近所をジョギング。
昨日歩いた列石のある荒れ地を回る。
石たちは鉄条網で囲われた牧場のような土地で大人しくしていた。
近くの牧場には生きた牛もいる。

牧場の牛飼いになって見回りをしているような気分。

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2002年 6月12日

大人たちもたいして楽しそうには見えない。
誰も笑っていない。
あるいはこれが彼らなりにリラックスしている表情なのだろうか?
それが気になるのはアメリカ人の陽気さを思い浮かべるからだ。
世界を支配している、と確信している民族の陽気さ。
彼らがヨーロッパ人に嫌われる理由もそこにある。
ヨーロッパ人、特にフランス人、イギリス人、イタリア人は、
自分たちの時代が過ぎ去ったことを身にしみて感じているのだ。

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2002年 6月12日

港で帰りのバスを待つ。
空が明るくなり、日が差してきた。
ホテルやレストラン、ブティック、ギャラリーが並ぶ港の前の通りを、
たくさんの客たちが歩く。

7月からのハイシーズンにはまだ2週間あるが、
シーズンに関係ない年寄りの夫婦が多い。
それから夏の前にヴァカンスをとってしまおうという子供連れの若夫婦。
親に手を引かれている子供たちはたいてい何かわめいているか泣いている。
ヴァカンスは必ずしも子供にとって楽しいものではない。
特に町のそぞろ歩きなど……。

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2002年 6月12日

カサブランカの失敗からから5年。
今日の僕の頭から「最果ての海辺で生の魚介類を食べてはいけない」
という教訓は完全に消え失せていて、
キブロンに着いた僕はさっそくレストランを物色し、
魚屋の隣にあるレストランで「アシエット・ド・フリュイ・ド・メール」、
つまり生の貝類やゆでたカニ、エビの類の盛り合わせを頼んだ。
海草の上に山盛りになった海の幸。
平らげるのに1時間かかったが、
大きなカニとエビ、から付きの生ガキやアサリ、赤貝に似た二枚貝などは、
ノルマンディーの高級リゾートで食べたものより味が濃厚だった。

舌平目を三枚に下ろして焼き、
酸っぱいリンゴを薄切りにしてほとんどかたちがなくなるまで煮たものをつけあわせた
「ソール・オ・ポンム」は奇妙な料理だった。
舌平目とリンゴはそれぞれなかなかの味だが、
取り合わせになんのハーモニーもない。
ノルマンディー料理に豚肉とリンゴをクリームとバターで煮た料理があるが、
これが全体にすばらしい調和を感じさせるのに対して、
舌平目とリンゴは最後まで反発しあったままだった。

今日の教訓。
ブルターニュ名物だからといって、リンゴを使えばいいってもんじゃない。

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2002年  6月12日

ベネチアに向かう途中にも、こうした荒れ地を見たような気がする。
南仏のアルルから海辺の村サントマリ・ド・ラ・メールに行ったときも、
カマルグと呼ばれる広大な河口の湿地帯、
水牛やフラミンゴが生息する荒れ地を通った。
ユカタン半島の北端近くにあるメリダから、
海辺の町プログレッソに行ったときも、
マングローブのような海水に生える灌木がえんえんと続く湿地帯を1時間近く走った。
地球の海面が5メートル上昇したら全体が水没してしまいそうな危ういユカタン半島の、
最果てにあるさらに危うい水辺の町。
大小色々あるものの、
これらの町に共通しているのは、観光に依存しているいかがわしさだ。
ベネチアのように年中にぎわっていようと、
サントマリ・ド・ラ・メールのように、たまたま真夏に訪ねたために、
海水浴客でごった返していようと、
プログレッソのように、季節はずれで人っ子ひとりいなかろうと、
そこは本質的に暫定的な夜店とお祭りの場所なのだ。

プログレッソには土産物屋やレストランが軒を連ねていたが、
町は映画のセットのように静まりかえっていた。
不思議なのはどこの店も開いていたことだ。
日本人ふたりしかいない観光地の臨戦態勢。
テーブルの代わりにカウンターとおもちゃを並べれば、
射的場に早変わりしそうな、
装飾の全くないレストランで「海の幸サラダ」みたいな意味の料理を頼み、
ビールを飲んだ。
出てきた「海の幸サラダ」は、
花瓶のように大きなパフェ用のガラスの器に、小さな生ガキのむき身や、
得体の知れない大きな貝の一部らしい四角く白い身を詰め込んだものだった。
貝の身は新鮮でなかなか味が良かったが、
完全にトマトケチャップまみれだったので、
ふたりがかりでも最後まで食べきることができなかった。
われわれはすっかり無口になり、無人の砂浜に出て、無言で写真を撮った。
1994年のことだ。

1997年、僕はカサブランカでこのときの教訓を忘れ、
海辺のレストランで「サラダ・ド・フリュイ・ド・メール」を頼むという過ちを犯した。
モロッコ人はさすがにトマトケチャップを使わなかったが、
出てきたのは海水の味がする生の貝類を、
オイル&ビネガーであえたものだった。
砂漠の旅で疲れ切っていたせいか、一杯の白ワインで腹をこわした。

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