イージーライターのつぶやき

ちょっとマニアックな職業ライター兼アマチュア小説家が、作品と日常生活のつぶやきを紹介します。

メキシコ紀行1994

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6月5日(日)

 雨→曇り。10:00→8:00。明け方から何度か目を覚ましたが、土砂降りの雨音。走れないのでそのまま眠る。10時間もクッションのへたったベッドで眠ったせいか体が痛い。この暗い部屋が気にくわないので、近くのホテル・モンテカルロを覗いてみた。ロビーはなかなか立派だ。そこでくつろいでいる白人たちの質もイサベルよりややいいように思える。ただセーフティボックスがない。バックパッカーたちの宿なのだ。シャワー付き60ペソ、シャワーなしなら53ペソ。しかしセーフティボックスがないと安心してジョギングもできない。あきらめてイサベルにもう1泊することにした。

 9:00、部屋にいたくないのでソカロ方面へ歩く。雨はやんだ。このあたりでも、朝からテラスにテーブルを並べているカフェはない。こういう便利さでは地方の観光都市の方が上だ。
 ファミリーレストランに入り、フルーツカクテル7ペソとコーヒー3.5ペソを頼み、昨日メリダの空港のレストランで書き始めた小説の下書きの続きを書く。うまくは書けないが、なんとなく希望は見えてきた。

 10:00過ぎ、ソカロを横切り、地下鉄に乗る。サパティスタ支援のバスとテントはそのままだった。炭の火を起こしているおじさんと目が合い、笑みを交わす。彼らはここで寝起きしながらサパティスタ国民解放軍の支援を訴えているのだ。

 地下鉄でチャプルテペックへ行き、人類学博物館でオアハカとチアパスの展示を見ながらメモとスケッチをする。先週来たときは考えなかったのだが、今度の小説に必要なのは遺跡ではなく、今の先住民たちの生活なのだ。今回の旅で十分な取材ができなかったとすれば、博物館や資料で想像をかきたてるしかない。

 売店でチアパスの土俗的な信仰と生活について書かれた英語の本を買った。37ペソ。オアハカの本はなかった。今度の小説の主人公がたどり着くのは彼の幻想を通して描かれる村だから、オアハカとチアパスが混在していても一向に差し支えないのだが、それにしてもオアハカの資料がないのはさみしい。サポテカ族特有の名前をいくつか知りたいのだが。こういうものこそ、エトラで一緒にビールを飲んだおじさんや、アメリカ人たちと訪れたサポテカ料理のレストランのウエイトレスにきいておくべきだったのだ。

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6月4日(土)

 メルセードからソカロまで古い石造りの建物が並ぶ細い通りを歩いて戻った。建物はどれも黒く汚れ、ねじれ、傾いている。地震のせいだろうか。メキシコは火山国だ。湖を埋め立てて建設されたメキシコシティは柔らかな泥の上に乗っているので地震に弱い。それでも何百年か持ちこたえている建物はあっぱれと言うべきなのかもしれない。

 ソカロにはまだこのあいだのサパティスタ国民解放軍の支援団体がいた。ちょうど集会が終わったところだ。マルコスの写真が印刷されたパンフレットを4ペソで買い、大統領府に向かって立てられた横断幕(土地を返せとかなんとかメッセージが書かれている)の前でカンパを求めていた男に2ペソ札を渡す。男は日焼けしていて、農夫のように見える。澄んだ目をぼくに向けて笑った。娼婦には60ペソ、不当に土地を奪われた先住民のために戦うサパティスタには2ペソ。不謹慎だろうか?

 サンボルンスでオアハカ州とチアパス州の地図を買う。
 帰りがけ、例のタコス&ローストチキンの店で、チキン4分の1とタコス2つ、ペプシコーラの夕食。9ペソ。なんて安さだ。

 8:00ホテルに戻る。電話帳が部屋にあったのでメキシコ人の代表的な名前をあれこれメモする。小説に使うためだ。

(写真はアメリカのドキュメンタリー番組で紹介されたサパティスタ国民解放軍の副司令官マルコス)

6月4日(土)

ラウラはドレスと黒いスキャンティを脱ぐ。黒いブラジャーとスリップはつけたままだ。それからぼくを立たせたままペニスをなで、勃起させてコンドームをはめる。

 疲れているのと多少の緊張からか、あまり固くならない。それでもラウラはおかまいなしにベッドの上で股を広げ、ぼくを迎え入れる。

 挿入してからも、ぼくの動きを止めてときどきコンドームがちゃんとはまっているか確認する。こんなことをしていると気分が乗らない。

 なかなか射精しないので、しばらくするとラウラは「パルケ」と言って起きあがり、今度は手でペニスをしごく。やっぱり安いだけあってすべてがそっけない。

 ただ、彼女の腿は肌のきめが細かくなめらかで、脚を絡ませていると心地よい。産毛の固い白人にはない感触だ。ラウラの顔はわりとスペイン人的だが、肌のなめらかさ、コーヒーゼリーのような肉のやわらかさにアジア人を感じる。ブラジャーに指を入れて胸を軽く揉むと、なおさら肉の柔らかさが実感できる。
 
 彼女は胸を揉まれるのをちょっといやがった。感じるのだろうか? それでもぼくが興奮してきたのを見て、そのままさわらせてくれた。やさしさからというより、仕事が早くすむからだろうが、それでもありがたかった。

 何週間ぶりかの射精。コンドームにたまった精液の量は思ったほど多くない。自分では感じていない旅の疲れがあるのかもしれない。

 ベッドのわきにある洗面台の鏡に向かって髪を直すラウラに向かって「年はいくつ?」ときくと、手で22と答えた。部屋を出るとき、彼女は「グラシアス」と澄んだ声で言い、ぼくのほっぺたにキスした。千葉君は「ただやるだけの女」だと言っていたが、予想していたよりは感じのいい応対だった。スペイン語が話せたら、もっと会話を楽しむことができたかもしれない。

「あなたの名前は?」とラウラが別れ際にきいた。
「シュウジ」と答えると、
「メキシコの名前は?」ときく。
「日本人だからメキシコの名前はないんだよ」と答えると変な顔をした。

6月4日(土)

地元の男たちと街娼たちがかもしだす濃密な空気の中に、日本人観光客が混じって見物しているのはすごく場違いな気がした。男も女もこちらをまったく無視しているのだが、なんとなくいたたまれない気持になる。

 大通りに戻り、電器屋が並ぶ歩道を歩く。ガードレールにそって女子プロレスラーのような街娼たちが並んでいる。歩道は子供連れで混雑している。今日は土曜日だ。家族で電気製品を物色しながら散歩しているのだろう。大通りのむこうは先日うろついた食品市場だ。東京で言えば築地の魚市場と野菜の太田市場に秋葉原の電気街が隣接しているようなもんだろうか。そこに水着のような衣装を着た強そうな街娼たちが並んでいる。

 ときどきアジャコングのような街娼に混じって、華奢で可愛らしい女がいる。アジャコングタイプはむこうから目で誘ってくるが、可愛い女は目が合うと視線をそらしてしまう。娼婦にも選ぶ権利があるということだろうか。

 くたびれかけた頃、裾に黒いレースの縁取りをした赤いミニドレスの小柄で可愛い女を見つけた。バリ島にいそうな、アジア的な顔立ち。華奢なからだつき。近づいて「どこか行こうか?」と英語で話しかけてみたが、けげんな顔をされた。

 スペイン語で単刀直入に「いくら?」ときくと、「40」と答えた。それに「ホテル代が20」。合計で約2000円だ。メキシコシティの初日に町を案内してくれた千葉君は「50ならOKしろ」と言っていた。40で手を打つ。

 女は電器屋と電器屋のすきまにある黒い小さなドアをあけた。そこが彼女たちの仕事場なのだ。ドアの前には暇をもてあました男たちがたむろしていた。中に入ろうとすると、男たちの視線が僕に集まる。ホテル代は女が払った。細長い通路が奥まで通じていて、両側にドアが並んでいる。女はそのひとつをあけて部屋の中に僕を招き入れた。

 ダブルベッドとサイドテーブルと洗面台があるだけの小さな部屋。窓はない。ベッドに座った女が何か言う。何を言っているのかわからない。何度か聞き返すと、そのたびに女はかすかに舌打ちし、子供っぽい澄んだため息をもらす。その様子で、どうやら金を先に払えと言っているのだということがわかった。

 60ペソ渡すと、彼女は札をていねいに折りたたみ、小さながま口に入れた。
「名前は?」ときくと、
「ラウラ」と答えた。

6月4日(土)

曇り。10:00→6:00ほぼ熟睡。昨日と同じ、シャンゼリゼのような大通りをジョギング36分。途中で100m〜200mダッシュ8本。

ホテルで朝食。オレンジジュース、コーヒー、トースト、ハム入りスクランブルエッグ。15ペソ。
黒須さんは明け方5:00起きでメリダを発ったはずだ。ぼくも午後の飛行機でメキシコシティに戻る。

12:30チェックアウト。5泊で600ペソ、つまり2万円足らずだ。

タクシー25ペソで空港へ。カフェテリアでクラブハウスサンドとグレープフルーツジュースの昼食30ペソ。

2:41のアエロメヒコ516でメキシコシティへ。機内で昼食が出た。来たときは一部の客に少し配っただけだったのに、今日はほとんどの客に行き渡った。メキシコの昼食時だからだろうか。空港のサンドイッチではものたりなかったのでまた食べる。

4:26メキシコシティ着。タクシーで5:00少し前にホテルイサベル着。今回は二階の裏手にある窓がない部屋だ。息苦しいのですぐに散歩に出る。地下鉄でメルセードに行った。空港からのタクシーから見たときはわりとましな娼婦が立っていたのだが、メルカード(市場前)の大通りだったのかどうか、確信が持てない。通りとその周辺をうろつく。

路地の大きなカフェの前に、男たちが列を作っていた。彼らの前をあきらかに娼婦とわかる露出過多の服を着た女たちが細長い輪を描きながら歩いている。並んでいる男たちの股間に手を伸ばして挑発したりする。こういうかたちで客とお見合いしているわけだ。彼女たちは女子プロレスラーみたいな衣装を着た大通りの女たちよりはセンスのいい服を着ている。


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