フィレンツェの空の下で

フィレンツェ在住のイタリア政府公認ツアーガイド・ソムリエのトスカーナ便りです♪

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ビオワイン

ビオ・ワインという言葉を聞かれたことがあるだろうか?
今、日本でも静かなブームとなっていると思うが、ビオ・ワインとは、有機農法で栽培されたぶどうで作られたワインのことである。

有機農法には、ビオロジカ農法とビオディナミカ農法がある。簡単に言うと、ビオロジカ農法とは化学肥料を使用しない農法であり、ビオディナミカ農法は化学肥料・薬品を使用せず、畑を取り巻く生態系を重視した土壌作りを主とする。

(ちなみに、ビオとはBio バイオ・生物学のことである)

イメージ 411月に、グレーヴェ・イン・キアンティ市近くのとあるワイナリーを訪問した。キャンティクラシコ地区には数多くのワイナリーが存在するが、私がツアーでご案内するワイナリーは、私自身が訪問して施設的・風景的にも見ごたえのありワインの説明の際に生産者の情熱が感じれる場所ばかりである。しかし、今回、お客様のリクエストで私自身も初訪問のワイナリーを見学する機会に恵まれた。(こちらのワイナリーは、普段は一般客は見学ができないとのことで、今回、たまたま運良く訪問の許可をいただいたのである)

広い敷地のワイナリーの建物は一部は14世紀のものと、古い。しかし、現在のワイナリーとしての歴史は1970年代ととても浅い。

貯蔵庫も当然ながら新しい。

イメージ 1地上にある貯蔵庫は、夏場に樽が乾燥するのを防ぐために天井に霧を吹きかける機械が設置してある。なんとこれは、イスラエルで開発されたものでイスラエルでは拳銃の火薬工場で使用されているそうだ。ところ変われば・・・である。地上階ということで外気に左右されやすいために、温度設定の機械も完備されている。

イメージ 2地下貯蔵庫は古い雰囲気を出しているが、1970年代のもので、古い印象を与えるためにアンティークレンガを使用したそうだ。地下にあるので、いつも一定の気温を保つことができる。白ワインの貯蔵庫見学中に、ワインの発酵で樽の栓がポンッと取れてしまったのをいいことに、樽の中でワインが発酵している音を聞くことが出来た。うそみたいだが、プチップチッと泡がはじける音が聞こえる。ワインって生きているのね・・・。

しかし誤解がないように付け加えるが、こちらの貯蔵庫は比較的新しいというだけで、とても立派な施設である。ワイン作りには振動が悪影響を及ぼすというが、ワインをひとつの容器から別の容器に入れ替えるにも、私たちの心臓が血液を押し出すようになるべく振動・負担の少ない空気圧を利用した方法が取られている。ぶどうの収穫に使うカゴも、下に入れたぶどうが潰れてしまわないように小型のものを使用するなど、細部にもこだわりが見える。

そして何よりも、このワイナリーには特筆すべきことがある。

それは、ぶどう栽培にビオディナミカ農法を取り入れていることだ。ビオディナミカなる言葉、私はこれまでなじみがなく、単なる「オーガニック農法」と訳してしまった。「ビオロジカ」ならばそれでいい。しかし、バイオ・ダイナミックというからには、もっと大がかりな農法なのだ。

例えば・・・。
イメージ 3こちらで実践している農法は、ぶどうの木を植える前に、畑に40種類の植物を植えるのだそうだ。それぞれの植物が与える養分で土壌が豊かになるのを2年間待つ。植えられる植物も、研究の結果、一番バランスのいい植物40種類を選んだという。
草地にして2年後、ようやくぶどうを植える。それからよいワインとなるぶどうに育つには、最低3年は待たねばならない。合計、5年の歳月を経て、ようやくワインとなる。
また、このワイナリーの周りには幸運にも他のワイナリーが1件あるだけなので、そこから風で飛んでくる化学肥料、薬品の影響は少ない。それでも、隣接するワイナリーとの境に植えてあるぶどうは使用しないとのこと。

このように生物学に基づいて作られた土壌は、普通の土壌よりもバクテリアが100万倍多く生息すると言われている。土壌というのは、肥料を与えないと劣化する。しかし、この農法で築かれた土壌は、普通のものよりも長持ちするのだそうだ。今、まだ実験の過程なので断定はできないが、とのことだが、理論上は正しいはずである。

広々とした施設の丁寧な案内が終わると、次は試飲である。
ここはキャンティクラシコ地方ではめずらしい白ワインも醸造している。仕事中にワインをばかばか飲んではお客様の手前いけないと思い、涙ながらにも白ワイン一杯の試飲で我慢することに・・・。キャンティクラシコ地区で白ワイン???と興味深々で飲んでみたが、ええッ?!びっくり!Bat??rバタールと、なにやらバターを想像させる名前のとおり、バターっぽい(←あくまで個人的意見)濃い味わいなのだ。(別に、バタールとバターは関係ないですが・・・)これが、ビオディナミカ農法の産物なのか?驚きの旨さ!である。
イメージ 5

日本でも飲むことのできる、ワイナリーQuerciabellaのワイン、お試しあれ。

興味深いワイナリーを教えてくれたお客様に大変感謝である。


閉じる コメント(6)

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日本でも飲むことが出来るのですか!?
気が遠くなるほどの手間と時間がかかっているワインですね。。
もし見つけられたらぜひ一度飲んでみたいです♪
素敵なワインを紹介して下さってありがとうございます☆ポチ☆

2008/12/9(火) 午後 1:38 [ - ]

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生態系を考えて、ワインに最適な土地を何年もかけてつくる・・・すごいですね。
なんでも簡単になるべく手間をかけずに大量生産しようとするモノが多い中で、新鮮な考え方です。
来年、授乳が終わったら飲んでみたい〜〜

2008/12/10(水) 午後 1:24 buttermilkmeadow

ビオディナミカ栽培のワイン、とても興味深いです。今度機会があったら是非試してみます!
いつも詳しい記事をありがとうございます!!

2008/12/16(火) 午前 6:38 [ アルテムジカ ]

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miffyさん、ポチありがとうございます。本当に手間がかかっていますよね。ビオワインの理論は、まだまだ賛否両論で結論がでていないようですが、個人的にはいいことだと思います。ぜひ、見つけたら飲んでみてください!

2009/5/11(月) 午前 1:18 siamofeliciecontenti

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ミルクメドウさん、大量生産されるワインもそれなりにおいしいものがあるのですが、ここのワインがものすごくおいしかったのは「手間」の分でしょうか・・・。あ〜、すべてのワインを試飲すればよかったと後悔です。授乳が終わったら、ぜひ!

2009/5/11(月) 午前 1:23 siamofeliciecontenti

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アルテムジカさん、とってもおいしかったですから、ぜひどうぞ!イタリアには、ビオワインのほかワイン栽培にいろんな手法を取り入れている農家があるので、またいろいろ調べてみたいと思っています。

2009/5/11(月) 午前 1:39 siamofeliciecontenti


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