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ミンダウガスがリトアニア王として戴冠するには1つ課題がありました。ヨーロッパでは王になるためにキリスト教の司教以上の聖職者から王冠を授けられないと王にはなれません。それにはまず治める国がキリスト教であることが前提でした。ミンダウガスはそれまでの雷神ぺリクナスを主神とする土着宗教からキリスト教に改宗します。それが本気だったのか、単なる政治的なパフォーマンスだったのか真相はわかっていませんがこの改宗はリトアニアの貴族達の間に様々な波紋を呼びます。改宗によりキリスト教(主に東方正教会系)の聖職者が教会を建てるための建築技術とそのために必要な数学、文字、医術、神学(哲学)、裁判制度等、これまでリトアニア人達があまり馴染みのないものを沢山持ち込みました。当然、数学用語や裁判用語はリトアニア語にないため、彼らが持ち込んだ言語、古代教会スラブ語が代わって公国の宮廷でも使われるようになりました。このように他国の言語に完全に依存する現象はその後ポーランドと連合する時も続きますが、それはまた別の機会にお話したいと思います。
ミンダウガスは王になって10年で暗殺されてしまいます。キリスト教を良く思わなかった有力貴族の企てとする説もありますが、事実は今も分かったいません。ミンダウガスはリトアニアの最初で最後の国王となります。その後土着宗教の信仰に戻ってしまい「王」として戴冠することが事実上できず、リトアニアの支配者は「大公」と位置づけられます。しかしミンダウガスの「国家統一」はリトアニアに強大な軍事力と民族団結を後世に残すことになりました。その後に続いたリトアニア大公達は東のスラブ人公国や北のリヴォニア騎士団と戦い、領土をドンドン広げていきます。1315年ゲディミナスが大公になると、その巧みな軍事、外交手腕でリトアニアを大国にのし上げます。ヴィルニュスが建都されたのも彼の時代だと言われています。伝説によると、ゲディミナスは今のヴィルニュスに狩で訪れた時に、100頭の狼を束ねる「鉄の狼」の夢を見て、この地に街を作ったと言われています。現在もヴィルニュスの大聖堂の前にゲディミナスとその横に「鉄の狼」の像が飾られています。
ゲディミナスの死後650周年記念切手
14世紀終わりから15世紀はじめのリトアニア大公国の地図。著作権の問題にならないようにヴィキペディアから借りました。一番濃い緑の部分がゲディミナス統治時代の領土拡大です。上の海はバルト海、下の海は黒海です。
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ヨーロッパには、王になるためのそんな決まりがあったのですね!
せっかく王になったのに、すぐ暗殺されてしまったなんて残念な話です。でも、ミンダウガスのおかげでリトアニアは強大な軍事力と民族団結を後世に残せることができたそうなので、彼はとってもすごい人なのですね。
あと、ヴィルニュスの伝説はヘタリアでも見たことがあります。
しかし、ゲディミナスがどんな風貌の人なのかは、切手をみて初めて知りました。
今回もすごく勉強になりました!次回も楽しみにしています!
2011/5/8(日) 午後 3:24 [ (・ω・*蓮) ]