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《世界遺産第四条》 「それは、世界遺産に認定されたもので自国領内に存在するものを保護、保存、整備し、また 次世代に伝えることの確約を、大一義的に締約国の義務としている」 (松浦晃一郎ユネスコ事務局長・P80) 《世界遺産第一期 1971〜1991年》 年平均30の遺産登録 登録が文化遺産に偏り、自然遺産が少ない 1991年現在、358遺産中、文化遺産260件 自然遺産 80件 緩衝値遺体(バッファゾーン)について、当初、作業指針に全く言及がなく、1978年から 1979年の登録に関しては緩衝地帯という概念が全く適用されなかった。(P143) ちなみに、1991年までに登録された260件の文化遺産では西欧的な考え方が先行してい たため、モニュメントおよび建造物群が圧倒的な数を占めた。 これは72年の世界遺産条約には「遺跡」も対象として加わっていたにもかかわらず、当初 64年のベネッイア憲章の基本的コンセプトを色濃く踏襲していたためだ。 同憲章は西欧の専門家ベースで採択されたため、モニュメントと建造物群を対象としていたの である。(中略) 第一期体制においては先史時代の遺跡が少なく、モニュメントと建造物群が中心で、20世紀 のものは少なかった。さらにキリスト教関連の建造物群が圧倒的に多く、他の宗教や宗教と関係 ないモニュメントはごく僅かだった。地域的に見れば、ヨーロッパなかんずく西ヨーロッパに集 中していたのが特徴だ。 その上、形にできない生きた文化が対象にされていないという懸念があった。(P146) 《世界遺産第二期 1992〜2006年》 ◎「文化的景観」という新概念が採択 1992年アメリカのサンタフェで開かれた第16回世界遺産委員会で「文化的景観」という新 しい概念が採択された。(中略) 文化的景観とは、人間自然との共生から生まれたいわば「共同作品」を意味しており、文化遺産 のひとつの形態として新たに認定されたものである。条約上はモニュメント、建造物群.遺跡の三 つの形態しかなかったが、拡大解釈をして四つ目の形態として加わった、と考えてよいと思う。 更に、具体的な案件が顕著な普遍的価値を持つか否かについての判断には、モニュメント、建造物 群.遺跡と同様1〜6の評価基準が適用される。さらに文化的景観は、基本的には次の三項目に該 当する世界遺産を対象としている。 (1)庭園、公園など、人間によって意図的に設計され創造たと明らかに定義できる景観。 (2)棚田などの農林水産業などの産業に関連した、有機的に進化する景観(具体的には残存また は継続する景観、及び化石の景観)。 (3)聖山などの自然的要素の強い宗教、芸術、文化などの事業と関連する文化的景観。 1987年以来懸案となっていたニュージーランドのトンガリロ国立公園は文化的景観が適用され た。(文化的景観項目3適用) 現在、文化的景観適用による世界遺産は世界で60件に上る。 同基準における他の世界文化遺産は ・フリッピン フリッピン コルディリエーラの棚田群 ・ポルトガル シントラの文化的景観 ・フランス 葡萄産地 サンテ.ミリオン地域 ・日本 紀伊山地の霊場と参詣道 ・ 石見銀山 ◎ 真正性の基準の弾力化(P151) 「建造した状態がそのまま保存されたいること」と定義する真正性は、当初、石文化である西欧の考 え方に基づいていたために、(中略) それでは木や土でつくられた文化遺産が世界遺産なる道が塞がれてしまいかねない。 1994年11月、日本が音頭をとった専門会議で「奈良宣言」採択 ・真正性 第一基準 単に人間の創造的才能をあらわす傑作だけではなく、審美的に美しいものでなければならなかっ たが、「審美的に美しいもの」という箇所を削除 ・真正性 第二基準 西欧の文化を中核において捉える表現が多かったために「ある文化圏内での価値の交流」という 表現に修正 ◎ 非ヨーロッパ圏での登録の促進 ◎ モニタリング体制の整備 締約国政府が定期的なモニタリングと、その方向を行うという制度の導入を決定 ◎ 初の登録削除 オマーン アラビア オリックス保護区 《世界遺産第三期 2007年〜》
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