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福岡県田川市が、老朽化した旧三井田川鉱業所の炭鉱住宅(炭住)を取り壊す「松原第1地区炭住改良事業」について、本年度に予定していた8棟24戸の取り壊しを2009年度に先送りする検討に入ったことが4日、分かった。文化庁が世界遺産の暫定リストに登載した「九州・山口の近代化産業遺産群」(22施設)に、同市の同鉱業所伊田坑第1・第2煙突(通称2本煙突)と竪坑櫓(たてこうやぐら)が入っているが、構成遺産に正式選定される条件として、「炭住の保存」を海外専門家が指摘したことが主な理由。 同市は炭住改良事業(09年度に終了予定)に補助金を出している国土交通省と同県と協議し、近く結論を出す方針。 同市建築住宅課などによると、取り壊す対象の炭住は同市松原地区にある1936‐48年に造られた建物。市は本年度分のうち、すでに3棟10戸を三井鉱山から買収。残る5棟14戸も本年度中に買い受け、取り壊す予定だった。 しかし、2月15日に同市で開かれたシンポジウムで海外専門家が炭住保存の意義を指摘。同遺産群の本登録を目指す世界遺産登録推進協議会の専門家委員会も同20日、「両施設を遺産群の構成資産として残すには、炭住の保存が絶対条件」と結論づけた。 同課は先送りを検討する理由について、(1)指摘を受けて市の内部で「保存」か「取り壊し」の結論が出ていない(2)来年度に取り壊しを延期しても事業に影響がない(3)4月に再度海外専門家が筑豊地域を訪れ、炭鉱住宅を見学する可能性がある‐などを挙げている。
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