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〈21世紀のキーワード〉オーセンティシティ 朝日新聞 2009年11月16日11時32分 ■文化財の価値問う「真正性」 建築物や遺跡などの文化財が、世界文化遺産に登録されるには、ユネスコの世界遺産保護条約に従って、「顕著な普遍的価値」があると認められなければならない。 この「価値」を裏付ける考え方の一つが、オーセンティシティ(Authenticity)。「真正性」「真実性」などと訳される。文化財が、デザインや材料などで最初につくられた時の価値を維持しているかどうかを問う考え方だ。 78年に最初の登録が始まり、当初は西欧の「石の文化」の考えに基づくオーセンティシティが厳格に適用された。頑丈な石造の文化財は創建時のまま残ることが多い。だが、修理を繰り返してきた日本などの木造文化財や、アフリカなどの土の文化財は登録されにくかった。 このため、弾力化が話し合われた。94年に奈良で開かれた専門会議をはじめ、世界遺産委員会を経て、木や土の文化財の文化遺産登録を容易にするように評価基準が変更になった。 それでも、オーセンティシティを問われている文化財もある。例えば、国の名勝・錦帯橋(山口県岩国市)。1673年、原型の木造橋が架けられたが、すぐ洪水で流失。1950年にも台風で流され、2004年に全面的に架け替えられた。 市は錦帯橋と周囲の町割の世界遺産登録を目指す。だが、架け替えで、創建時の材料がほとんど残っていないなど、「材料のオーセンティシティの検証」が課題の一つになり、国内の候補地となる「暫定リスト」には入っていない。(大室一也)
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