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4月になり、東洋大学で政治科学の講義をする日も近づいてきました。ブログを少しずつ再会してゆきます。
政権交代後、民主党は「政治主導」の政治をめざし、大臣、副大臣、政務官のいわゆる政務三役がフル回転しています。朝7時くらいから夜遅くまで、政務三役が役所で陣頭指揮。いままで忙しかった各省の次官、局長は暇でしょうがなく、役所に持っている広い個室で読書に励んでいるというのが現在の状況のようです。 「係長クラスの仕事まで政務三役がやっている」という官僚の陰口も聞こえてきますが、今までの官僚主権を是正するには反対方向に大きく曲げる事も必要ですから、しばらくはこれでいいかと思います。 民主党政権のモデルになっているのはイギリス政治。私も議員時代、たびたびイギリスに派遣されました。その過程でイギリス紅茶が好きになりました。今や、嶋家の朝は紅茶で明けています。 英国では政と官の役割分担が明確です。官僚組織は政治家に検討の素材を与えるだけで、決断は政治家が行います。そもそも大将と参謀が同じでは、大胆な決断はできません。大将が政治家、官僚は参謀に徹するべきなのです。 イギリスでは閣僚、閣外大臣および政務次官として100名以上が政府のメンバーとなります。さらに、公職ではありませんが議会秘書官と呼ばれる閣僚の秘書官に国会議員が配されます。政府側の国会議員は150名を超えます。 さらに特別補佐官として、政治任用のスタッフ職は各省に設置されます。彼らには専門性の他に、政治センスが求められます。いつどの政策を打ち出すか、どう説明するかという政策ブレーンプラススポークスマンの役割が課せられるのです。 こんな、充実した人員配置により官僚に頼り切る事のない、政権運営が可能になっています。 日本でも政治主導確立法案、国会改革法案などが審議される予定です。当初の4月1日までにというのより遅れそうです。たぶん、本格的な始動は参議院選挙後になるのでしょう。 問題は、官僚の意識改革がまだ進んでいない事です。私が身近に見る事のできる総務省は原口大臣のリーダーシップで政治主導で進んでいるように見えます。原口大臣は12月に原口ビジョンを出しました。ビジョンが出たなら、官僚は即座に動き、検討のための実行計画を何案か政治家に提示すべきだと思うのですが「大臣の指示がでるまでは」などとして全く腰が重かったと聞いています。(あくまで伝聞です) とうとう、三月に「大臣指示」が政務三役会議で出され、重い腰を上げたように思います。民間でトップの指示が三ヶ月もほったらかしになるというのはちょっと考えられません。自分たちがシナリオを書いていたときに較べると、まったく遅いスピード感のように見えます。 やはり、国家公務員改革法案も同時に改正し、人事権を大臣が持つようにしなければならないのでしょう。 ある民間トップに「かつては大臣が事務次官を変えようとすると、官僚の大抵抗があったのですよ」と話したら「信じられない。私にCOOや事業部長を変える人事権がなければ、経営などできない」と驚いていました。 政治主導確立はまだまだ始まったばかりのようです。 |
東洋大学講義録
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