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民主党政権が「改革の1丁目1番地」としてきた、地域主権戦略大綱が21日の地域主権戦略会議でまとまった。マニフェストでも掲げられた「ひもつき補助金の一括交付金化」は明記されて一歩前進のようにはみえる。
しかし、「戦略は細部に宿る」ことを忘れてはならない。
原案にはあった「地域が自己決定できる財源」との記述が各省庁の抵抗で削られた。「民主党政権、恐るるに足らず」。官僚の高笑いが聞こえるような気がする。
「改革の時計の針を遅くしよう、あるいは逆向きにしようという思いが強まっている。それならば、なんのために新政権をつくったのか。その意味がまったくうせてしまいかねません」
鳩山前首相は4月の地域主権戦略会議でこう述べた。鳩山首相は地域主権の確立を「改革の1丁目1番地」と私が代表補佐役の時代から言っていた。これに対して、各省が抵抗するのは当然である。地方をコントロールする権限を失うからである。
これに呼応するかのように原口総務大臣は、インターネットで公開されている政務三役会議で「大綱の内容を決めるのは戦略会議であって、各府省庁にその権限はない」と一貫して述べてきた。
省あって国無し、大臣がともすれば各省庁の代理人になった自民党時代の政策決定システムを脱却するのが民主党政権が目指したものである。
首相が議長をつとめる地域主権戦略会議で決めるとは、官僚主導では決められなかった国を考えた意思決定を、首相の責任と権限で決めるという事である。まさに、政治主導ならではの挑戦であった。
これが、いつのまにか骨抜きになった。各省が巻き返したのは仙谷官房長官が週末の19日、20日に大綱について各省の了解をとるよう調整を支持したからだ。これでは調整型の自民党政治に逆戻りである。
管政権は、鳩山前政権が官僚をうまく使いこなせなかったのが政権崩壊の原因と分析し、官僚に過度にすり寄っているように見える。政治はふりこのようにいったり来たりするので、ある意味同情もするが、なにか釈然としない。
政権交代は選挙によって果たしたが、その後は官僚の意のままというのでは、形式上の支配者は変わったが結局何もかわらないということになってしまう。
鳩山前首相の発言を再び。
「それならば、なんのために新政権をつくったのか。その意味がまったく失せてしまいかねません」
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