|
○族議員が消えた総務部門会議
2月2日、民主党総務部門会議が開催され、総務省から次期通常国会における提出予定法案が説明された。そのなかに、電気通信事業法及びNTT法、電気通信基盤充実臨時措置法などの「光の道法案」があった。
総務部門会議というと、自民党政権時代はNTTの意を受けた族議員の活躍の場であった。民主党でもNTT労組出身議員の活躍の場であった。
しかし、政権交代で様変わり。族議員が消え、しがらみのない若手議員の発言だけが大きく響いたのである。政権交代による「チェンジ」である。
政権交代前の自民党議員にとって、議事録までとられる国会審議は、本音など言えるものではない不便なものであった。これに対し、自民党本部で開かれる各種の会合は、非公開であり、本音と本音がぶつかりあい、官僚を呼びつけて怒鳴りつけることもできる、実質審議の場であった。それが部会である。
政策調査会の下の部会は、農林省、外務省など各省庁ごとにおかれる会議で関連省庁の政策を扱う。自民党時代は部会、民主党では部門会議と呼ばれるこの会議は若手から中堅にいたる部会長を中心に運営される。部会所属は決まっているものの、課題に応じて国会議員なら誰でも発言できる。
つまり、それまでの流れに関係なく、自分の支持母体や政治献金をもらっているところがその法案に反対なら、「反対、反対」と大きな声で言ってくれば言いわけである。内閣が、長期的、総合的に考えた法案を提出したとしても、ここで捻じ曲げられることが多い。
国会質問で政治献金をもらっている団体の意に沿う発言をすると、職務権限があるため、贈収賄の疑いがもたれることがある。しかし、部門会議での発言は法人格もない政党での発言なので、責任が問われることもない。いいたい放題、本音と本音の意見がぶつかり、「部会(自民党ではこう呼ばれた)を公開すると、もっと政治がよくなるのではないか」とさえ言われた。
いわば、部門会議は族議員たちの活躍の場であった。ご丁寧に、部門会議での発言はすべて政治献金を出している母体にすべて報告される。そこでの活躍をもとに、「業界に理解のある先生」として、政治献金額が決まるのである。
野党時代の民主党の部門会議は、利益に直接からんでいないので、かなり上品なものであった。しかし、総務部門会議にNTT関係の法案が出されるときだけは違った。だいたい、総務部門会議出席メンバーの中にIT技術のわかる人は少ない。NTT労組出身議員だけが、「NTTにもっと自由を」という意見を繰り返して、他のメンバーは何もいわないという状態が続いていた。
ところが、2月2日の民主党総務部門会議の様子を聞いていると、どうも様変わりのようなのだ。若手議員が次々に発言し、いわゆるNTT労組出身議員は静かだったとのことなのだ。
A議員「この法案は2015年ごろに100%ブロードバンド整備という政府目標達成に本当に寄与するのか。整備目標のロードマップを示すべきではないか」
政府側「接続料は下げます。基盤法の説明にもあったように、税・予算的な支援を行うなどの措置はしますが、目標を実現するためには利用する側と利用される側の相互の一致が必要です。誰かが責任をもってやっていくというのはむずかしい」
A議員は1回生議員である。自民党議員なら、政務三役に言われたら引き下がるかもしれない。しかし、A議員負けていない。
「成長戦略上、光の道は非常に重要な目標だと思う。政府目標を掲げるならば、これを達成するために政府の姿勢が国民にみえるようにすべきだ」
様変わりした民主党部門会議。しがらみなく、発言する若手議員の発言はすがすがしく、日本の将来に期待を持っていいのではないかと思わせる。また、NTT労組出身議員も政権与党の政治家として、個別利益だけでなく日本全体を考えるようになり、自制していたのではないかと思う。裏でやっているのかもしれないが(笑)
ただ、部門会議が「族議員の巣」でなくなっただけでも政権交代はよかったのではないかと思う。
|

- >
- 政治
- >
- 政界と政治活動
- >
- その他政界と政治活動



