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○「3位ではいけない」と思おう
2月14日、2010年の国内総生産が発表され、正式に日本が中国に抜かれ、3位になった。2010年の国内総生産は名目で日本が5兆4742億ドル。中国5兆8786億ドルに。日本が1%台の経済成長のところを10%近いスピードで追い越していったわけである。どんどん、その差は広がっていくであろう。
中田宏前横浜市長は「今朝、ワシントンで見たCNN。中国が日本を抜いてGDP第2位というニュース。米国で見たことが私を鼓舞した。がんばろう、ニッポン」」とつぶやいた。中田さんは私が松下政経塾指導塾員をしていたときに、入塾試験を受けた。私は面接官だった。私は「日本が再び、2位になるような成長戦略が必要!」とつぶやき返した。
菅直人総理、枝野官房長官は「隣国である中国経済の躍進は日本としてすばらしい」と述べた。政府としては、そういうしかなかったのであろうが、どうしても蓮ほうさんを連想して「どうして2番じゃなきゃダメなんですか。3番じゃいけないんですか」という発想が基盤にあるように思えてしまう。
ロンドンに行ったときのことである。日本から進出している金融機関の責任者が言った。
「私たちがしっかり仕事ができるかどうかは、本国である日本がしっかりしているかどうかにかかっています。日本が中国に抜かれてしまったなら、どうして再び抜き返すような計画を発表しないのか。民間なら必ずそうしますよ」
日本がGDP2位から3位になるのは、ほんの序の口である。現在のインドのGDPは1兆2369億ドルだが、成長率は7から8%である。このまま推移すれば、20年後、日本はインドに抜かれる。2030年の世界のGDPは中国、アメリカ、インド、日本の順になる。
1月にインドに行って驚いたのはニューデリー空港が新しくなり、インド名物の空港を出た瞬間のタクシーの客引きなどが少なくなったことである。ホテルまでの移動もスムーズで、(鳩山前総理といっしょだったこともあるが)ずいぶん、快適だった。公共予算と民間投資によってインフラが整備されれば、インドの競争力は飛躍的によくなると実感したものだ。
その後、訪問したムンバイの渋滞はあいかわらずで、予定時間が大幅に遅れ、楽しみにしていたガンジー記念館にはいけなかった。ここでは、「道路に穴がある」のでなく「穴の中に道路がある」のままだった。しかし、その熱気たるやたいしたもので、インドは沸騰していた。「3位でもいい」なんて言っていると、あっというまに日本は抜かれていくような気がした。「3位ではいけない」と思おう。
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