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○沸騰するインド、中国。日本は扇の要になれるか?
「モバイルホンを制するものはインターネットを制する」「アジアを制するものは世界を制する」孫正義社長がよく話す将来戦略方針である。
iPhoneをはじめとするスマートフォンが、いまや就職活動の必須アイテムになっている。海外出張のときでも、スマートフォンさえもっていけば、パソコンを持っていく必要がないほど機能は高度化した。実際、インド出張のときはiPhone一つだった。
インドの人たちが使う携帯電話はそこまで高機能ではないが、伸び率はすさまじい。ソフトバンクはおかげさまで純増トップを続けさせていただいているが、1年での伸びは250万台ほどである。
「インドはすさまじい勢いで携帯が普及しています。以前は、1ヶ月500万台ずつふえていて、毎月、シンガポール1国が増えていると言っていました。いまや1ヶ月で2000万台ずつ増えています」
ソフトバンクの現地駐在員の言葉である。
オーストラリアの人口が2100万人。毎月、オーストラリアの全人口ずつ増えているかと思うとすごいとしか言いようがない。人々は、インターネットをパソコンでなく、モバイルホンを通して使うようになる。インド人も同様であろう。
インターネットの黎明期である1998年。世界のインターネット人口は1.9億人。そのうち半分を米国が占めた。2015年、世界のインターネット人口は26億人。そのうち、アジアが50%、米国は12%だろうと推定されている。インターネット人口の半分は中国、インドを中心とするアジアになるのだ。インターネットの時代はアジアの時代であるといえる。
「アジアは一つ」と高らかに宣言した岡倉天心の「東洋の目覚め」。その中に、日本に伝わる民話が紹介されている。8世紀の洛陽でインド人、中国人、日本人があった。中華の地、そのものから来た人が言った。「ところで、我々がここで落ち合ったのは、さながら一つの扇を造ろうとしているのに似ている。中国は扇の紙。インドから来られたあなたは放射状の骨。日本からきたお客さんは小さいが欠くことのできない要です」
ジャパンアズナンバー1の頃ならともかく、勃興するインド、中国と衰退する日本を見るとなかなか中国が「日本は要になる」と言ってくれるかどうか怪しい。しかし、日本は「要」になるべく努力すべきと思う。
インターネットの時代がアジアの時代であり、インターネットの主流がモバイルホンになると話は変わってくる。日本におけるデジタル革命はインド、中国よりも少しだけ先に行っている。日本で成功したインターネットのビジネスモデルをインド、中国に移転する。あるいは中国のモデルをよりインターネットインフラが進んでいる日本で大きく展開する。いわばインターネット経済圏の「扇の要」になることを目指すのは可能性がないわけではないと思う。
そんなことを考えていたらインド人が言った。「このところ、日本人がインドに注目してよく来るようになりました。でも、韓国は10年前から来てます」
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