|
「月刊エネルギーフォーラム」No.702で取材を受けて
ソフトバンク 電力会社に非対称規制を
電力業界にとって“風雲児”と言えるソフトバンク。だが、意外な事に同社は電力事業への参入に対し、慎重な姿勢を強調した。
社長室長の嶋聡氏は、「電力事業への参入は真剣に考えているし、アグレッシブな構想を描いている。
だが、今のままならば、2020年までの一連の電力システム改革が骨抜きに終わる”なんちゃって改革”に終わる公算が大きい。
その結果、電力会社の『規制なき独占』がもたらされる。リスクを取る企業文化を持つ私たちでさえ、様子見にならざるを得ない」と話す。
ソフトバンクが描く青写真は壮大だ。日本と、隣国の中国、韓国はもとより、南はシンガポール、タイ、西はインドまで電力網を結び、互いに電力の輸出入を行う「アジア・スーパーグリッド構想」だ。
(中略)
だが、嶋氏が懸念するのが、「見えない参入障壁」だ。
「例えば小売の全面自由化が行われても、制度をつくるだけでは、真の自由化は生まれない。ロックイン効果など、既存の電力会社が、新規参入を阻む様々な障壁が許されてしまう。」
ソフトバンクの電力事業への本格参入の条件として、第一に既存の電力会社により厳しい規制を適用する、第二に、発送電分離をきちんと行う-の2点を挙げる。特に一点目については、通信自由化の際のNTTへの規制政策を参考にするべきだと主張する。
国は業界最大手だったNTTに「非対称規制」を適用し、他の通信会社より敢えて厳しい規制で縛ることで、新たな業者の参入を促した。この結果KDDIや日本テレコムなどとの適正な競争が行われ、通信料金の大幅な引き下げにつながったというのだ。
逆に、適正な競争が行われなければ「既存の大手電力の『規制なき独占』を招き、電気料金も上がり、国民生活や国内産業にも大きなマイナスの影響を与える」と懸念を示す。
|