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27日に、長妻元厚生大臣の話を久しぶりに聞いた。「日本には二つの保障が必要である。一つは安全保障、もう一つは社会保障」。「3つの格差が広がっている。第一に介護の格差、第二に子供の貧困格差、第三に非正規社員の格差である」。歯切れがよく、「さすがに政権交代の原動力となったミスター年金」という感慨を抱いた。
そもそも民主党政権の目指す政策は、小泉ー竹中内閣で生じた「格差」を制度的に是正する再分配の強化だったはずである。官僚のさじ加減や政治の圧力によって地域や弱者を支援するのでなく、国民に対し公平に政策的恩恵を配分する。それは生活不安を解消し、内需主導の経済を作り出すことによって経済成長にも寄与するというのが「生活第一」の中身だったと思う。
残念ながら、この政策は中途半端に終わった。政界から経済界に転じたものの目から見れば、リーマンショックからの回復過程で、「分配より成長」が必要な時代であったことが不幸の一つであったように思う。
長妻氏の配布資料の中に、「政府は自分で生活できない人を救うべきではない」という人の割合というのがあった。イギリス、8%。ドイツ、7%。アメリカでさえ28%なのに、日本は38%だという。
「高所得の家庭の子ほどよい教育を受けられるのは」という問いに、「当然だ」「やむおえない」を足すと2004年に46.4%だったのが、2012年には59.1%に増えているという。
日本国民は「分配」より、自助努力による「成長」を求めているように思う。
長妻元大臣の話の中で「アベノミクスは欠点があり、続かない」というものがあった。もちろん、経済は循環であるので、いつまでも株は上がり続けないし、成長が鈍化することもあろう。しかし、円安を中心とするアベノミクスの恩恵を経済界は明らかに受けており、歓迎している。
野党なのでそういうしかないのだろうが、それよりももう少し視野を中期的にもったほうがいいと感じた。まずは、経済を名目3%程度の成長路線に乗せること。経済成長が一段落すれば、格差是正が国家のテーマになる。小選挙区である以上、野党第一党は常に、政権交代に準備する責務を持つ。民主党の基本理念にのっとり、制度的再分配の必要性とそれが経済成長にもつながるという理論を徹底的に鍛える時期である。
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