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3・11から3年1ヶ月。安部政権が11日、民主党政権が掲げた「原発ゼロ」を転換する方針を正式に閣議決定した。
「大学」の一節に「利を以て利とせず、義をもって利とする」とある。つまり、国家の経営にあっては、利ではなく、義を考えなくてはいけないのであり、利を優先して考えるような小人に国家経営を任せることはいけないとしている。
今回の決定は、経済界、特に電力業界の「利」を優先した結果であろう。原発は「ゼロ」から、「重要なベースロード電源」となった。電気事業連合会は「たいへん、意義あるもの。国の基幹政策として推進していただきたい」とのコメントを発表した。「義」が失われたことを残念に思う。
3月22日、私は孫正義社長と福島県に行った。そのときに決意したことがある。政治家と経営の二つを体験したものとして、現実的に「原発ゼロ」の方策を探求し、実現して行くことである。
まず、政治家の経験から、まさに3.11の日に閣議決定された「再生エネルギー法」を成立させることに全力を注いだ。かつての上司(?)であった菅直人総理と孫社長を結びつけ、なんとか成立にこぎつけた。ネットなどで「政商」と呼ばれることを孫社長は気にしていたが、私はまったく意に介さなかった。
大きな目的を達成しようと思ったら、批判があることは当然である。
「世間の評判などにとらわれて、正しい決断ができるはずがない。笑わば笑え、そしればそしれ。自分は正しい道をいくのだという信念がなければならない」
松下幸之助
再生エネルギーを事業として行うSBエナジーが設立され、「全国10箇所、20万キロワット以上」という当初の約束は達成された。
これが「カウベル」効果を生み、多くの企業が太陽光発電に参入した。私もSBエナジー顧問となった。風力、地熱、バイオマスなどに分野を広げ、再生エネルギーが原発を代替できるようになるまで、尽力して行きたい。
多くの企業が参入してきて、ある意味、経営分野では着実に進展が見られている。世論も配慮したのだろう。エネルギー基本計画でも「再生可能エネルギーを3年間程度、導入を最大限加速」と書かざるをえなくなっている。
問題は、「政治」である与党自民党は言わずもがな、民主党も電力総連などに配慮せざるを得ない。党勢が回復しないだけによけいに組織頼みになるだろう。
都知事選挙後の世論調査でも時期はともかくとして、「原発ゼロにすべきだ」と答える人が70%前後も存在しているのである。
この民意を結集してゆく「政治」が求められていると思う。1年後には統一地方選挙。2年後には参議院選挙がある。胎動があることを期待する。
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